八木整形外科病院
前十字靱帯損傷の標準手術を考案
スポーツにケガはつきものだが、適切な治療を受けなければ競技復帰が困難なケースもある。膝の前十字靭帯損傷は、まさにその象徴といえるだろう。
安田和則名誉院長は、同疾患に対する世界的な標準手術「解剖学的2束前十字靭帯再建術」を約20年前に開発した人物だ。「受傷後は痛みと腫れが1〜2週間程度続きますが、その後は日常歩行ができるようになるケースが大半です。しかし靭帯は一度伸びると元には戻らないため、競技復帰を目指すには手術が必要となります」
術式開発者として現在も最前線で執刀しており、技術・知識ともにブラッシュアップを続けている。受傷直後であれば残った靭帯を利用した再建手術も適用されるため、早期の受診が重要だという。
「靭帯が伸びたまま競技を再開すると、膝関節が外れるような〝膝崩れ現象〟が起きます。人生100年と言われる中で手術を希望する中高年も増えています。より豊かな人生を送る手段として手術を検討してほしい」と語る。