北海道ろうきんが中計最終年度に多様な取り組み
「北海道労働金庫」(札幌市、出村良平理事長)の「中期経営計画(2022~2024)」と「長期ビジョン~2024年度」が、ともに最終年度を迎える。今年はその集大成としてさまざまな取り組みを展開する。
「北海道労働金庫」(北海道ろうきん)は、1951年5月に設立され、労働者がお互いを助け合うために資金を出し合って立ち上げた営利を目的としない協同組織の福祉金融機関。生活者本位という姿勢、社会的な役割、暮らしに役立つ商品・サービスすべてが働く人の生活の視点から発想されている。
現在、全道に37店舗(インターネット北海道支店を含む。23年9月末現在)を展開し、預金残高は1兆1072億円(うち個人1兆277億円)、貸出金残高8276億円(うち個人8212億円)となっており、経営の健全性を判断する際の指標となる自己資本比率は8・57%、総貸出金残高に占める開示債権比率は0・59%と安定した経営基盤を築いている。
「中期経営計画(2022~2024)」は、22年度からスタート。コアバリュー(核となる価値観)の1つとして設定する「共生社会の実現」に向けて、昨年8月には北海道と「連携と協力に関する協定書」を締結している。
地域社会への貢献活動や児童・青少年への教育活動、道内労働者への支援活動などを通じ、官民一体の協働で「道民生活がより豊かに喜びを持って共生できる社会の実現」を目指す。
また、「お金に関する学びの場」として学校など教育現場やNPOへの講師派遣活動のほか、こども食堂やフードバンクなどに災害備蓄品の寄贈を行っている。
一方、会員や利用者と一体となった地域貢献活動の「つなぐプロジェクト」では、預金・ローン等の利用1件につき100円、北海道ろうきんATMの利用やスマホ決済アプリへのチャージ1回につき1円など、取引内容と回数に応じた金額を同金庫が拠出する。
22年度の取り組み分として総額947万円を地域で活動する道内36団体へ寄付している。
このほか、返済困難者が増えている「奨学金問題」への対応として「奨学金借換ローン」と自動車購入資金等にも利用できる「奨学金借換+αローン」の取り扱いを継続するほか、自宅で取引ができる「ろうきんアプリ」「ろうきんダイレクト」、申込から契約までをWEB上で完結できる融資商品などを提供し、利用者のさまざまなニーズに応えるとともに、福祉金融機関としての役割を存分に発揮している。
職員の働きやすさ向上への取り組みも進める。
厚生労働省が少子化対策や子育て支援などで一定の基準を満たした企業・法人に与える「くるみん」の認定を受けているほか、昨年3月には経済産業省の「健康経営優良法人2023」、7月に「北海道働き方改革推進企業認定制度」における「ゴールド認定」を受けている。
24年度は中期経営計画と併せ、「長期ビジョン~2024年度」の最終年度となる。ビジョンに掲げた「会員・地域・利用者とのつながりによる『しあわせの循環』の創造」の集大成として歩みを進める。