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寿産業

さまざまなタイヤリサイクル機器を開発

独自開発の粉砕・分別機で廃タイヤをリサイクル

製鉄用ローラーガイドの製造メーカーであり、国内トップシェアを誇る「寿産業」。1951年の創業から、長きにわたって鉄鋼業界に貢献してきた。

蓄積した機械開発・加工技術を生かして環境問題にも向き合い、約24年前に環境開発事業をスタート。廃タイヤを再利用する特殊機器の開発と製造を進め、普通自動車からトラックやバスまで大小さまざまなタイヤに対応した破砕機や粉砕機、成型機器などを製品化して全国の産業廃棄物処理業者などに販売している。

廃タイヤ処理業者のニーズは大きく2つ。1つは廃タイヤを焼却する際に発生する熱エネルギーを活用するサーマルリサイクルで、この分野で力を発揮するのが同社の「ビードワイヤー抜取機」だ。タイヤのホイール結合部にあるビードワイヤーと呼ばれる鋼線を抜き取る専用マシンで、石油に替わる燃料として廃タイヤが注目されていることも相まって販売を伸ばしている。処理業者は同製品を利用して廃タイヤを燃料として再生し、主に製紙工場に販売している。

2つ目のニーズは素材を活用するマテリアルリサイクル。別のゴム製品として廃タイヤを再生する。タイヤを細かく破砕、粉砕する専用機器をはじめ、タイヤに付着する微細なワイヤーやナイロンを取り除く選別機器が活躍している。用途に応じて3~8㍉㍍のゴムチップに粉砕可能で、例えば公園の遊具や学校のプール回りのラバーマットに加工できるほか、道路舗装や競技場トラック、人工芝の土台として活用されるケースもあるという。

「廃タイヤの不法投棄や放置が蚊の大量発生や火事の原因になるなど、世界的な環境汚染につながっています。次世代のためにも、環境開発事業を通じて環境保全に貢献していきたい」と鈴木俊一郎社長。

同社では、販売した機械の据え付けやメンテナンスも手がけるほか、自動車のパッキンやホース類など、タイヤ以外のゴム製品のリサイクル機器も開発している。

一方、粉砕技術を応用し、2010年には抗菌めっき皮膜の粉末化に成功。樹脂や塗料、繊維に粉末を練り込み、抗菌商品として防かび製品やコート剤、インソールなどを発売。「令和2年度北海道地方発明表彰文部科学大臣賞」も受賞している。

銭函工場で環境製品の開発や製作を行う
鈴木俊一郎社長
廃タイヤをラバーマットに再生