時計台記念病院
循環器内科に「心血管リハビリテーションチーム」を新設
時計台記念病院とともに北光記念病院、北光記念クリニック、時計台記念クリニック、よつばクリニック、ソフィア北円山クリニック、「地域包括ケア施設プレミアムガーデン」、「医療併設女性専用賃貸マンションプレミアムガーデン北円山」などを展開するカレスサッポロ(大城辰美理事長)。2008年にはきわめて公共性の高い医療法人である「社会医療法人」に認定されている。
25年4月には、時計台記念病院と北光記念病院を集約し、新病院「カレス記念病院」を開業予定。札幌駅東口から徒歩圏内(北6条東3丁目)で、高度かつ専門性に優れた医療が提供される。
同法人の時計台記念病院は、内科、循環器内科、消化器内科、眼科、婦人科、泌尿器科など17の診療科を標榜。各診療科の専門医が専門性の高い診療を提供している。
7月14日には循環器内科に心疾患の再発防止を目的とした「心血管リハビリテーションチーム」を新たに立ち上げた。
陣頭指揮を執る小原雅彦医師は「心筋梗塞など心疾患に対する治療は、ステント留置術などのカテーテル治療が主流ですが再発するケースが多い。再発防止には運動療法など、治療後のリハビリが重要となります。心血管リハビリテーションチームは、治療後の専門的なリハビリをサポートし、患者さんの元気な生活を取り戻すのが目的です」と語る。
小原医師は、北海道大学医学部を卒業後、同大循環器内科で研さんした循環器内科の専門医。北海道中央労災病院で心不全・心臓リハビリテーションセンター長を務めた後、23年4月から同院の循環器内科医として勤務している。
心血管リハビリテーションチームは同医師に加え、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカーなど多職種医療者約10人で構成され、心臓リハビリテーション指導士、心不全療法指導士の資格取得者が複数いる。小原医師の下で専門分野を持つ医療者が運動指導、栄養指導、投薬など、それぞれの垣根を越えて情報を共有しサポートする。
患者の状態に合わせたプログラムを提供
心疾患の再発が多いのは、心臓に悪いからと運動を制限する人が多いことも大きな要因だ。しかし個々の状態に合わせた運動で再発を防ぐという研究結果がある。例えば、運動療法を行った心不全患者の4年後生存率約80%に対し、行わなかった患者は40%というエビデンス( 医学雑誌Circulation 1999年99巻)。
また、日本循環器学会でも狭心症や冠動脈疾患、末梢動脈疾患、心臓手術後、大動脈瘤・大動脈解離手術後、心不全、心房細動、ペースメーカーなどのデバイスを設置した患者に対する心血管リハビリの有用性を提言している。
同院の「心血管リハビリ・CPX(心肺運動負荷試験)外来」は、毎週金曜日の午後1時30分~2時30分に開設している。
CPX外来では、診察や検査で患者の運動能力や日常生活、病気の状態に合わせた治療プログラムを作成するため、自転車運動などで心臓に負荷をかけながら行うCPX検査を実施。身体機能の数値を評価しながら、患者一人ひとりの運動強度を判断して安全かつ効果の高い運動プログラムを処方している。
具体的には、外来リハビリや自宅リハビリなどを含め、小原医師が患者と相談しながら策定する「150日プログラム」を提供。検査や多職種カンファレンスをもとに随時必要項目を調整していくのも特徴だ。このプログラムの実施で運動能力や生活習慣病、抑うつの改善、QOL(生活の質)向上、動脈硬化予防などが期待でき、心疾患の再発を予防する。また、同チームでは小原医師らが講師となり、隣接するカレスサッポロビル(カレス8ホール)で「心臓病教室」を毎月開催。参加は無料で無料相談も行っている。
小原医師は「心臓リハビリは1人ではなく、同じ環境の人が周りにいる集団リハビリが長続きする効果があるといわれます。心疾患のステージは高血圧症など症状のない時期から、心不全が症状として現れる深刻なステージまでありますが、心血管リハビリはどの状態でも適応となる可能性があります。心臓に不安がある人はもちろん、今は元気だが、高血圧や血糖値が高めという人もぜひ心血管リハビリ外来で相談をしてもらいたい」と呼びかけている。
●診療科目
内科、外科、循環器内科、形成外科、眼科、婦人科、リハビリテーション科、消化器内科、腎臓内科、脳神経外科、泌尿器科、病理診断科、麻酔科など17科
●受付時間
月〜金 8:30〜12:00/12:00〜16:30
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土曜、日曜・祝日(救急は24時間診察)