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MOEホールディングス

「モエズガーデン小樽」の完成予想図。景観を守りつつ庭に畑を設置

高齢者の心身の健康を回復させる「モエズガーデン小樽」

高齢者施設を中心に、さまざまな介護サービスを提供する「MOEホールディングス」。

1999年の創立以来、徹底した安全対策と高いサービス力を武器に急成長を遂げ、1500人のスタッフが道内16市町村、約84カ所の介護事業所で高齢者の暮らしを支えている。

より良いサービス拡充に向け、事業拡大を進めており、M&Aも積極的に推進している。

昨年4月に開設した「モエズガーデン小樽」もそのひとつだ。

老人保健施設、デイケアサービス、訪問リハが一体となった施設で、就労継続支援事業所も加わる見込み。理想とする施設に向け順次、改修工事を重ね、この6月にはいよいよ完成形がお披露目される。

老人保健施設に求められる主な役割は、入院から在宅復帰までの橋渡し。リハビリによる機能訓練が中心となるのが一般的だが、水戸康智社長は「単なる機能訓練だけではなく、モエズガーデン小樽では、農作物を通して楽しみながらリハビリをします」と語る。

農作業をリハビリに取り入れている施設は多いが、同施設はひと味違う。大きな庭の中に畑を作り、屋上ではトマトやオリーブが栽培できるビニールハウスを設置する。

「農作物を育てるだけではなく、加工し、販売までします。まずはピザ。野菜を育ててピザをつくり、地域で販売して対価をもらう。社会に必要とされていると実感することが心身の自立につながります」(水戸社長)

ピザの販売に必要な箱づくりは同社独自の取り組みである「モエデワーク」を活用する。個々の要介護度や興味に応じて仕事を行い、ポイントを貯めるもので、毎月月末にはポイントを給料として受け取ることができる。同社に関わるすべての高齢者が楽しく、生きがいをもつために考えられたシステムだ。

「道庁の農業指導員のOBを顧問に迎え、野菜の品質にもこだわっていきます。敷地内のカフェでもピザを販売しますし、将来はキッチンカーでの移動販売も行いたい。高齢者の各家庭で育てた作物を契約農家のようにして買い取ることも考えています」(水戸社長)

目指すのは心身ともに元気な高齢者が増え、介護が不要になる高齢者の自立社会だ。

「誰しも介護なしで生きていきたいでしょう。この小樽をモデルケースに同様の施設を増やしていけば介護費も抑制できます」と水戸社長は力を込める。

 

水戸康智社長
本格的な手作りピザを提供するカフェ
開放的なデイケア