ジョウシュン重機
残土リサイクルでCO2の排出を削減。森林保全にも貢献
「ジョウシュン重機」は2012年の創業。住宅の基礎工事や外構工事、建築土木工事を柱に道内全域を網羅する。
国内大手ハウスメーカーを顧客に抱える住宅基礎工事では、年間150件以上もの物件を担っている。外構工事では300件以上を手掛け、駐車場の設置や造園工事も行う。
建築土木分野では、上下水道、道路や河川などさまざまな工事に参画するなど、事業そのものが、SDGs11番目の項目「持続可能な都市」に該当する。
同社は昨年9月にSDGs宣言を行った。持続可能な開発目標の実現や達成に向け8項目を実践している。なかでも重点的に行っているのが、砂利や土などの資源リサイクルと環境配慮型車両の導入だ。
着目したのは、建設現場で大量に出る建設発生土。掘削した土は残土処理場に投棄され、埋め戻しには新たに採取した山砂を使用するのが一般的だが、同社では担った工事の発生土を自社たい積場へ運搬して保管する。この保管した発生土は再利用し、他の建設現場で埋め戻しなどに使用している。
馬場俊社長は「残土処理には処理場へ土砂を運ぶ車両からCO2が排出され、運搬コストもかかる。さらに、処理場不足などの問題も抱えていました。建設発生土のリサイクルは、これらの問題を解決するうえ、工事で使用する土を新たに森林から採取する必要もない。森林伐採の抑制にもつながっています」と話す。
また、17年からは尿素SCRシステムを搭載したダンプや重機を導入している。同システムは、排気ガスの窒素酸化物を低減し、排出される窒素を無害に変える排ガス浄化システムだ。従来のディーゼル車に比べ燃費も削減できるなど、近年注目を集めている。
同社では、この尿素SCRシステムを搭載する車両12台を保有。2年以内には、保有する18台全ての車両を切り替える計画だ。
一方、8番目の項目「経済成長と雇用」も実践し、働きやすい職場づくりも推進している。
20年から育休制度や介護休暇制度を策定し、すでに従業員3人の育休取得実績を持っている。
「重機や大型車の免許取得の費用を会社で負担し、スキルアップもバックアップしています。さらに社内環境を整備し、女性の雇用も積極的に行っていきたい」と馬場社長。