【斉藤こずゑのファイターズじゃないと♡】中村勝選手
慣れないオーストラリアで活躍誓う、その先に国内復帰
自分の武器をつくるために豪州に
斉藤 シーズンオフということで、前回に続いて、ファイターズOBの登場です。オーストラリアで野球を続けている中村勝投手にオンラインインタビューをおこないました。今シーズンから所属するブリスベン・バンディッツは、どんなチームですか?
中村 ファイターズに似ているかなと思います。みんな、仲がいいですし。 オーストラリアの野球自体は、日本のように緻密さはそれほどないですけど、「楽しんでいこうぜ!」というスタンスです。僕も楽しんでプレーできています。
斉藤 ファイターズ退団後、割とすぐにオーストラリアに行くことを決めたんですか?
中村 すぐに、というわけではなかったですけど、いろいろ模索していく中で、代理人の方などと縁があって、決断しました。
斉藤 国内で野球を続けるという選択肢もあったと思いますけど。
中村 ただ野球だけを続けるというよりも、何か違う経験をしたいという思いがありました。語学勉強もそうでした。少し“大きく”言うと、人間としての自分の武器みたいなものをつくりたいと思って、オーストラリアに来ました。
斉藤 大きな決断でしたよね。
中村 こっちにきて、あたらめてそう感じました。また、新型コロナもあって、なかなか日本に帰国できないということもありましたからね。
斉藤 本拠地のあるブリスベンで一人暮らしを?
中村 そうですね。食事も簡単なものをつくったり。車も運転しています。日本と同じ左側車線なので。
斉藤 もうすっかりそちらで生活しているんですね。いま、苦労しているのは言葉だけ?
中村 そうですね。もともと英語ができたわけではなかったので。語学学校に4カ月通っていましたが、いまはチームメートとコミュニケーションをとっていく中で勉強しています。
斉藤 中村投手が試合で投げる映像を見ましたけど、割と普通にキャッチャーとコミュニケーションを取っている印象でした。
中村 野球だからというのがあるんだと思います。この場面ではこういう話をするなというのは、単語などからある程度、想定できます。
あとはチームメートが単語を強調してとか、“丁寧に”会話してくれるので、助かっています。でも、まだまだですよ。
ファイターズ時代よりも球速が
斉藤 1月5日のリーグ開幕戦では負け星がついてしまいましたけど、開幕投手を務めました。
中村 ありがたいことにそうでした。でも、チームの位置付けではエースではないと思います。その後、中継ぎでも登板しています。
バンディッツは、抑えはしっかり固定されているんですけど、先発と中継ぎは流動的な部分があります。
斉藤 ブリスベンのチームカラーは青なんですね。青いユニホームはいかがですか?
中村 僕自身は青が好きなので気に入っています。ファイターズのチームカラーにも青が入っていたので、好きでしたよ。
斉藤 リーグ戦の移動はどうやって?過酷だったりするんですか?
中村 いや、基本は飛行機移動です。バスでの長距離移動とかはないので助かっています。
斉藤 遠征先のホテルは一人部屋ですか?
中村 いや、4人部屋です。
斉藤 そちらの環境は少し大変そうですね。
中村 そうですね。でも、試合後は選手同士で食事に行ったりできるので、楽しいですよ。
斉藤 シーズンは始まったばかりですけど、手応えはいかがですか?
中村 開幕試合は久しぶりの公式戦だったので、あまりいい感覚で投げられなかったのですが、その後は投げるたびにどんどんよくなっているというか。
ファイターズ時代、ケガをして手術後に投げていたときよりいいパフォーマンスが出せているのではないかと思っています。
斉藤 状態がいい要因としては?
中村 腕を強く振ることを意識していて、実際、それができています。ファイターズ時代と比べて、球速が平均もMAXもアップしています。
斉藤 いまオーストラリアでプレーしていますけど、その先に「もう1度、日本で」という思いも?
中村 そうですね。オーストラリアにきた当初は、いまのようなパフォーマンスで投球できるとは想像していませんでした。この状態なら、そういう夢というか、期待感はありますね。
ただ、まずはいまやるべきことに取り組むのが大事だと考えています。日本に帰ることは次のステップかなと思っています。