【砂川誠のコンサの深層】元日本代表FW西澤明訓が代理人になったワケ
同世代が各クラブの幹部に続々
砂川 今回は、コンサドーレの練習と試合を視察に来られていた西澤明訓さんに登場いただきます。一緒にコンサの練習を見学しながら話を伺って、すごく刺激になりました。
アキさんは清水東高校のご出身ですから、野々村芳和社長の後輩になりますね。
西澤 4歳違いなので、高校時代一緒にプレーをしたわけではありませんが、偉大な先輩として、可愛がっていただいていて。コンサGKコーチの赤池(保幸)さんも同じ高校の2歳上で、僕が1年の時に3年生で、一緒にプレーして。
砂川 アキさんは現役引退後「ジャパン・スポーツ・プロモーション(JSP)」に所属して、Jリーガーの代理人をされています。元選手の代理人というのは珍しいのでは?
西澤 少しずつ増えているよ。自分がそのパイオニアといえばそうかもしれないけど。
砂川 JSPには俺も現役時代にお世話になっていて、コンサの現役選手も何人か契約しています。アキさんはスペインやイングランドでのプレー経験があるから、海外志向の若手にとっては貴重な存在。
西澤 自分自身、ヨーロッパでプレーしたいと思った時に、代理人がいなければなかなか難しかったと思う。それとともに、いつかヨーロッパの第一線で活躍する選手がたくさん出てきてほしい、と考えて、その手助けがしたかった。
33歳の時に現役を引退すると決めたのだけど、セカンドキャリアを考えた時にそうした思いがあったから、代理人という道を選んだということ。指導者とかほかにも道はあったけど、人にサッカーを教えるのって、難しいだろうなと思ったので(笑)
砂川 実際、代理人業にとって選手経験が有利になったことはありますか。
西澤 Jリーグの創設から今年で27年が過ぎて、クラブのスタッフ、フロントや強化担当に同じ世代や選手経験のある人が増えてきているんだよね。それこそ野々村社長もそうだし、自分が長く所属したセレッソ大阪も森島(寛晃)社長だし。
砂川 確かに。大宮アルディージャ強化本部長の西脇(徹也)は同じ千葉の高校で、同い年です。
西澤 アルビレックス新潟のタマジュン(玉乃淳GM)も、僕がスペインに行っていた時、彼がアトレチコ・マドリードユースにいて、それ以来の付き合いで。
選手経験のある人がクラブの強化を担っていると「いまこのクラブに必要な選手はここだ」といった、同じ文脈や視点、サッカー観を持てる。そういうところから、自分の担当している選手にも、クラブの力にもなれると思っていて。そういう部分は、選手経験のある代理人としてのメリットだね。(構成・清水)
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