【斉藤こずゑのファイターズじゃないと♡】武田久氏
指導をするならアマチュアで
現役引退の胸中、気持ちは指導者に
斉藤 2017年シーズン限りでファイターズを退団し、18年シーズンから古巣の日本通運(社会人チーム)に選手兼コーチとして在籍していました。今年1月6日には日本製鉄東海REXのコーチ就任が発表されました。現役引退という区切りでいいんですよね?
武田 はい。実は僕の中では、現役引退はたいしたことではないというか。19年は登板しませんでしたし、シーズン終盤はもうほとんど自分の練習をやっていませんでしたから。
現役を続けたいということでファイターズを退団し、古巣にそのチャンスをもらい、とても感謝しています。一方で、日通在籍中に、次第に自分の関心がコーチングにシフトしていきました。
斉藤 いまはもう指導者に気持ちが傾いている?
武田 完全にそうですね。
斉藤 どうして東海REXのコーチを務めることになったのですか?
武田 今回チームの監督も新しく林尚克さんが就任しました。その方に熱く口説かれました。
実はいま、オリックスでスカウトをやっている牧田(勝吾)さんは日通時代の先輩なんですけど、その牧田さんが林監督と交流があったようで。牧田さんから「東海地方だけど、『本気でコーチとして来てもらいたい』と言っているところがある」との話をもらったのがきっかけでした。
斉藤 久さんならNPBからの引きがあってもおかしくないでしょう。てっきりNPBの球団で指導者をするのかと思っていました。
武田 僕、選手としては絶対プロでやるべきだと思いますけど、指導となると、アマチュアのほうが面白いとずっと思っています。
選手兼任でしたけど、日通で2年間コーチをさせてもらい、とても勉強になりました。コーチングをもっと学びたいという気持ちが強くなっています。
目的を持って練習をする、何のために練習するのか、こういう考えは日通のピッチャー陣にはきちんと植えつけられたと思っています。
2年でチームを離れることになってしまったので、少し心残りです。個々の選手の持っているもの、眠っているものを引き出してあげて、ここからどれだけ伸びるかという時期でもあったので。
(構成・竹内)
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