アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

【斉藤こずゑのファイターズじゃないと♡】浅沼寿紀氏

紋別には恩返し、球団には還元を

指導は言い過ぎない、自主性が一番

斉藤 シーズンオフはファイターズOBにお話を聞いていきます。今回は紋別市役所職員の浅沼寿紀さんです。

浅沼 主な職務は北海道紋別高校の野球部での指導です。高校からの依頼を受けて、外部指導という形で携わっています。

斉藤 浅沼さんが来たことで、野球をやるために紋別高校に行く生徒が増えたのではないですか?

浅沼 ありがいことにそのようです。地元の子どもたちがそのまま進学するケースが増えたようです。

昨年も、野球部は北北海道大会に出場することができ、結果を1つ残せてよかったと思っています。ただ、僕はサポートをしただけです。選手たちの頑張りが一番です。

斉藤 普段はどんな1日を過ごしていますか?

浅沼 まずは市役所に行って、野球部の練習メニューをまとめるなど、デスクワークをこなします。

いま、小学校の体育の授業もたまにお手伝いしています。講師役として、体力テストのボール投げや走り方など、体を動かすことに対する指導をしています。そして、放課後に高校生に野球を教えています。

斉藤 いまの生徒たちはどのような感じですか?

浅沼 自分が高校生だったころより素直な子たちばかりです。優しくていい性格なんですが、そこが弱点だったり……

斉藤 と、いうと?

浅沼 勝負事には優しさ、素直さが邪魔になることがあります。素直な子たちに対して、どう厳しい勝負の世界を教えるかが課題になっています。

野球に限らず、社会人になったら、社会の矛盾、大人の理不尽さなどに直面することがあります。そういう壁を乗り越えられる人間になるような指導を心がけています。

斉藤 技術指導はどのように?

浅沼 高校時代とプロでコーチに教わったことを自分なりに解釈して、教えています。時代も違うので、そのまま伝えるのはマッチしません。

それに、教わったことをそのまま実践しても半分くらいしか身につかないと思っています。自主性が一番です。そういう意識を持たないとうまくなりません。

そのため、指導ではあまり言い過ぎないようにしています。端的に伝えられる指導者が理想です。

(構成・竹内)

……この続きは本誌財界さっぽろ2019年12月号(11月15日発売)でお楽しみください。


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(あさぬま・としのり)1989年7月21日、旭川市生まれ。B型。左投げ左打ち。旭川南高校卒。07年高校生ドラフト7巡目で北海道日本ハムファイターズに投手として入団。10年オフに外野手にコンバート。13年シーズン限りで現役を引退。その後、ファイターズアカデミーのコーチを務めた。16年に球団と紋別市が交流人事事業を実施(現在、両者はパートナー協定を締結)。これを受け、球団を退職し、同年4月、紋別市の任期付き職員に着任した