さっぽろ脊椎外科クリニック

はまだ・かずのり/1999年札幌医科大学卒業。札幌中央病院診療部長を経て、2015年から現職。日本整形外科学会認定整形外科専門医。医学博士。
専門分野に特化。〝脱・流れ作業〟の診療で患者に寄り添う
「患者に寄り添う医療」を目指す医者は数多いが、その形はさまざまだ。濱田一範副院長が掲げる理想は、「専門分野への特化」と「〝脱・流れ作業〟」。首と腰の治療に特化して知識と技術を身につけ、腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどで悩む患者に手を差し伸べてきた。外来診療は完全予約制とし、一人ひとりに十分な時間を費やして診療にあたっている。
「人間には感情がありますから、たとえ治療結果が同じであっても、その過程次第で患者満足は大きく異なります。患者さんと十分なコミュニケーションをとり、不安を取り除くことに努めています」
他院同様、保存療法が基本だが、濱田副院長はギリギリまで手術を回避した治療プランを提案している。
「もちろん手術を強く希望する場合は尊重しますが、まずはリハビリや注射など保存療法が先決。考えられる手だてを徹底的に尽くし、それでも症状が改善しないのであれば、より納得して手術を受けられるはず」
山田恵二郎院長、神田翔太郎医師とともに執刀医3人体制を敷き、佐藤公一麻酔科医師とともにオペチームを編成。2024年は451例(椎間板ヘルニアに対する酵素注入療法「ヘルニコア」を含む)の手術を行った。
手術翌日にはリハビリをスタートでき、2~3週間で退院となる低侵襲手術「OLIF」と「XLIF」も手がけている。
「背中を大きく切開する従来の手術に対し、体の側方から患部にアクセスできるため、小さな切開で神経の除圧や脊椎間固定、脊椎配列矯正などを施せます。背筋の侵襲も少なく済みます」
オペ中の処置の見直しなど、現在も手術時間の短縮を図りながら、手技のトレーニングでさらなる精度向上にも取り組む。術者が少ないことも相まって、患者は道内外から訪れる。
「札幌市内では脊椎専門の医療機関が徐々に増え、患者さんの選択肢も広がっています。治療方針や術式などはそれぞれ異なりますから、後悔のないようじっくり選んでほしいですね」



