阿部鋼材

鋼加工を通じて暮らしを支える。顧客第一の〝新価値創造支援業〟
1950年に創業した「阿部鋼材」は、道内で数少ない鉄鋼加工会社の一つだ。発寒と石狩に製造拠点を持ち、鋼材の切断、曲げ加工、溶接・組立など幅広い加工に対応する。建設部材やトンネルの骨組みとなる支保工、橋梁用部材、プラント用部品などを製作し、完全受注制で高品質な製品を提供している。
「誠実であれ」――創業者の阿部武房氏の言葉は、経営理念として深く根付いており〝顧客第一〟の姿勢が、多くの取引先から選ばれている理由だ。
3代目の阿部大祐社長は「当社は、お客様が設計した製品や構造物の製作において、他社ではできない部分を技術力で完璧にサポートします。私たちの役割は〝新価値創造支援業〟であり、お客様から頼られる会社を目指します」と話す。
74年間蓄積したノウハウに加え、2020年には、全自動3次元レーザー加工機「3Dファブリギア400Ⅲ」を道内で初導入。23年には最先端のレーザー加工技術を搭載した「10KWファイバーレーザーマシン」も導入し、さらなる生産性や品質の向上が図られた。
阿部社長は「人手不足により足腰を痛める単純作業が増え、社員の安全と負担軽減のための機械化が求められていました。付加価値を生まない工程は自動化し、職人は高度なノウハウが必要な作業に専念してほしいと考えています。大規模な設備投資でしたが、切断や溶接の部門を超えて新たな技術を習得できる環境が整い、現場の負担軽減や納期短縮、生産力強化が実現しました」と話す。
一方、製造業全体が深刻な労働力不足に直面する中、同社は社内改革にも取り組んできた。
個々の能力を可視化した成長シートを活用し、社員一人ひとりのキャリアプランをサポートする「成長支援制度」を導入したほか、23年11月から全社員で毎朝1時間社内と周辺の清掃を行う「環境整備活動」も開始し、社内環境の向上にも取り組む。
「毎朝の掃除が社内のコミュニケーション活性化にもつながっています」(阿部社長)。近年は若手採用も堅調で改革の成果を実感しているという。
「業界では後継者不足により淘汰の波も迫っています。当社にも専門分野外の依頼が増加しており、今後は事業承継も視野に入れ、お客様の期待に応え、社会に貢献していく」と阿部社長。


