四宮造園
造園を通して緑豊かな街づくりと地域貢献を両立
創業から54年にわたり、造園業を担う「四宮造園」は、設計からデザイン、施工、維持管理、指定管理まで一貫して対応。
顧客は個人・官民問わず安定した受注があり、特に国、北海道、札幌市、各市町村が管轄する公園や道路の維持管理を数多く担当している。
札幌市の場合は「屯田西公園」「太平公園」「月寒公園」「厚別山本公園」「茨戸川緑地」、さらに道内唯一の国営公園である「滝野すずらん丘陵公園」や、北広島市の「サンパーク」などの運営にも携わり、緑豊かな公園で通年にわたり従事している。
その実績から近年は、白老町にある「ウポポイ(民族共生象徴空間)」の維持管理も受注するなど、自治体からの信頼を確固たるものとしている。
「造園業は建設業の中で唯一生き物を扱う業界です。当社の使命は、その生き物を通して皆さまに潤いや豊かさなどを感じてもらえるように努めることです」と四宮繁社長は語る。
維持管理業務は、清掃、草刈り、樹木・街路樹・施設の管理、鳥獣対応など、多岐にわたる。同社の社員はこれらを一手に担うため、高い技術を求められるが、四宮社長は「国家取得のための勉強会や外部講師による技術講習会の開催、本社屋にある造園での練習など、さまざまな教育を行っています。何か1つを極めるのではなく〝造園業のオールラウンダー〟を目指して、技術研鑽に努めています」と語る。
こうした取り組みを継続し、高い技術を誇る造園業のプロを養成し、さまざまな評価を獲得。中でも特筆すべきが「大通花壇コンクール」だ。
本コンクールは1954年から開始。審査員は学術研究者、市議会、有識者、市民団体、官公庁の各代表から構成されており、大通公園に造成された花壇のデザイン(調和、配色、花苗)や材料(生育状況、縁取りなど)の両面から審査を行う。
今年は35社による花壇造成が行われ、同社は最上位の「市長賞」を受賞した。
「非常に光栄な賞をいただきました。花壇を見て足を止めてくれる人、花を見て何かを感じ取る人など〝花壇ひとつが誰かの思いに寄り添えられれば〟という思いで造成しました」と四宮社長は語る。
一方、地域貢献活動にも注力。小学生と共同で花壇の花植えを行うほか、札幌市内の認定こども園にプランターの設置ボランティアや、市民への花配りなど、さまざまな活動も行っている。
四宮社長は「花や樹木は景観だけでなく、二酸化炭素を吸収する効果もあります。環境保全の観点からも単に造成をするのではなく、こうした事実を正しく伝えていくことも当社の役目です」と語る。