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おぜき内科・消化器肝臓クリニック

小関 至 院長
おぜき・いたる/1993年札幌医科大学医学部を卒業後、同大内科学第一講座入局。市立釧路総合病院、札幌厚生病院などの勤務を経て、2024年4月に開院。日本肝臓学会認定肝臓専門医。日本消化器病学会認定消化器病専門医。

自覚症状が少ない肝臓疾患の診断と治療に実績

 今年4月に開院した「おぜき内科・消化器肝臓クリニック」。小関至院長は、さまざまな消化器系疾患の早期発見と治療に取り組んでいる。中でも20年以上にわたり肝疾患の領域に携わっており、肝炎に深い知見を持つほか、日本肝臓学会認定の指導医としても活躍している。

 肝炎の代表例と呼ばれるのがB、C型などのウイルス性肝炎だ。小関院長は「従来のC型肝炎の治療は注射薬で副作用が強かったが、近年は副作用が少ない経口薬が主流です。2~3カ月間内服を続けることで、100%に近い確率で治癒できます」と語る。

 近年、ウイルス性肝炎の罹患数は減少傾向にある一方で、増加しているのが脂肪性肝炎(肝臓に炎症や繊維化が起こる病態)だ。 

 原因は肥満やアルコールの過剰摂取などで、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病を合併することも多い。健康診断や人間ドックで発覚することが多く、そのほとんどが無症状のため、放置するなど軽視している人も少なくない。

 小関院長は「一部の脂肪性肝炎は放置すると肝硬変に進行し、最終的には肝不全や肝臓がんを引き起こすことがあります。健康診断などで異常値が見られたらすぐに精密検査を受けてほしい」と呼びかける。

 精密検査では、血液検査で血中のウイルス量などを調べるほか、超音波エコーを用いて画像から肝臓の状態も確認する。治療は投薬、運動療法や食事療法などが主体で、症状別や疾患の進行度をもとに、患者の生活に無理のない治療方法を提案している。

 また、消化器内科にも精通。内視鏡検査では、新型の経鼻内視鏡カメラを導入し検査時の苦痛軽減に努めるほか、大腸がんの早期発見に有効な大腸内視鏡検査も実施している。

 一方、小関院長は〝平等な医療の提供〟をモットーに、訪問診療にも心血を注ぐ。高齢者や通院困難者を対象に、一般内科の診療を担当するほか、専門的な診断や高度な治療が必要な場合は、病診連携する医療機関を紹介している。今後は訪問体制や診療の効率化を図り、南区を中心に診療数を増やしていく。

「通常診療と訪問診療の両面から、地域医療の発展に貢献したい。不調がみられる際は、気軽にご相談ください」と小関院長は語る。

内視鏡検査には新型の設備を活用している
石山通沿いに面しており駐車場も完備