大洲電気
電気通信工事のトータルコンサルで成長を遂げる
今年で創業58年を迎える「大洲電気」は、法人向け電話交換機システムとネットワークの設計・施工・保守を手掛ける。電気通信工事と通信設備、それに伴う什器の内装に特化したトータルコンサルを提供している企業だ。
顧客は企業や空港、商業施設、医療機関などがメイン。
「施設の新設やオフィス移転時など、電気と通信工事を別々の会社に依頼するのが一般的ですが、当社は両工事を自社で担えることが強み。複数企業の工事日程調整の手間や、発注におけるコスト低減が図れます」と澤田博和社長。
2012年には東京都、20年には神奈川県に営業所を開設するなど、業績は右肩上がりで伸びている。今年度は関東エリアの受注が堅調で、売り上げは前年比10%アップを見込んでいる。
この成長を支えるのが、高い技術力を保有する社員だ。通常業務の傍ら、外部研修へ積極的に参加、資格取得のための勉強時間を自ら確保するなど、スキルアップの志向が高い。
「技術職は〝現場で覚える〟イメージが強いが、当社は一つひとつの作業工程に対して〝なぜそうなるのか〟といった理論を学ぶことを重視しています」と澤田社長。
社内には練習用の電話交換機とサーバーを設置。商品の組み立てや解体、データを入力して機械を動かすといった作業が実際に行える。
また、澤田社長は1級電気通信工事施工管理技士と、1級電気工事施工管理技士の有資格者。自らの経験を生かし、社内講師として社員の技術研さんに注力している。
澤田社長は「今後しばらくの間は、札幌駅周辺の再開発やラピダス社の進出に伴い、技術者の引き合いが増えることが予測される。業界全体が人手不足であるため、お世話になっている顧客に対して、当社が担える領域は全力で努めていきたい」と意気込む。