ジェネシス
〝リスクの分散〟で堅調。本業以外も好調が続く
総合物流企業の「ジェネシス」は、住宅建材や農業用パイプ輸送で道内トップシェアを誇る。2016年の創業以来、業績は右肩上がりを続けており、現在は全国に約300社の顧客を抱える。
長らく続いたコロナ禍でも、業績は落ちることなく増収を継続し拡大してきた。23年度も業績は堅調。増収増益を達成するなど、売り上げは前年度比で1・4倍に伸長した。
中核を担う住宅建材輸送では、建築費や燃料高騰の逆風を受けながらも好調を維持。大手輸入ハウスメーカーの道内の資材輸送を100%担うなど、同業他社が軒並み業績を落とすなかでも同社は例外と言えよう。この背景には、同社ならではの独自性がある。
法島直人社長は「創業当初から、1つに特化せず、あらゆる輸送物を偏り無く運んでいます。コロナ禍ではイベント部材などの輸送が落ち込みましたが、飲料や雑貨などの受注が増えました。こうしたリスクの分散により、コロナ禍においても売上高は伸長しました」と振り返る。
一方で、近年は広い視野で事業を拡大。21年には倉庫業の「ジェネシスライン」、22年には広告代理業の「ZOU」を設立し、多岐にわたる事業も展開している。
とくに「ZOU」では、主に物流や建設、飲食業界に特化した求人サイトを運営していたが、現在はすべての業種を網羅した。
さらに、年内には道内物流業界向けのWebメディアをリリースする計画もある。トレンドやドライバーへの役立つ情報などを中心に発信していく。将来的には、車両パーツなどの物販も行うという。
「今後は、イベント事業も手掛ける予定です。大規模なトラック関連製品のビジネストレードショーなどのイベント開催も計画しています。道外市場にも積極的にアプローチして成長スピードを加速させる。すべての事業で底上げを図っていきます」と法島社長。