黒松内町・朱太川の自然保全で4者が包括連携協定

　５月13日の締結式には、黒松内町の鎌田満町長、菅原正久朱太川漁業協同組合長、パタゴニア・インターナショナル・インク日本支社（本社・神奈川県横浜市）のマーティ・ポンフレー支社長、キャンパーズアンドアングラーズ（本社・札幌市）の牧野良彦副社長が参加。自治体や漁業組合とアウトドア関連企業の連携協定は全国的にも稀。「そこに魚がいなければ、釣りは成立しない」という考え方を基本に「生物多様性や水辺環境の保全・回復・再生」「地域社会との連携」など５つの項目で一致した。　

　寿都郡黒松内町を流れる朱太川は、サクラマス（ヤマメ）のフィッシングポイントがあるほか、国内の鮎の北限といわれ、横断構造物が存在しないため魚が源流まで遡上できる貴重な川とされている。

　協定に掲げる具体的目標は「朱太川水系の砂防堰堤の撤去またはスリット化」「釣り・アウトドアを通じた自然再興の実現」の２つ。２０２５年までに、砂防堰堤の撤去やスリット化に向けた活動を実施するほか、中長期的な活動として道内の新たな実施拠点形成と連携や協働に取り組み、30年までに生物多様性の損失を止めて回復軌道に乗せる「自然再興（ネイチャーポジティブ）」を実現するとしている。

　今回の包括連携協定の締結で朱太川の自然保全がより強化されると注目を集めている。