ほっかいどうデータベース

向仁会

ユニット型介護医療院「喜郷」は道内初の介護医療院

新テーマは「ポートフォリオ」。複合施設の拡充を図る

 日本は75歳以上の後期高齢者が増加しており、その数は65~74歳の前期高齢者人口を上回る。その差は広がるばかりだ。

「向仁会」の阿部智哉理事長は「看取りも含めたリハビリ、認知症のケアがより強く求められている。この分野のサービスを強化していくことが必要です」と語る。

 函館市や小樽市を中心に、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅、グループホームなど、高齢者福祉施設を運営。全施設の合計は900床以上で稼働率は98%を超える。道内初となる介護医療院を開設した医療法人としても知られている。

 主な拠点となっているのが、函館市の同一敷地内にあるユニット型介護医療院「喜郷」と介護医療院「喜郷Ⅱ」。両施設で計238床を有しており、介護医療院として全国でもトップクラスの規模を誇る。

 約4000坪と広大な敷地面積を生かして「函館ファミリークリニック」「函館市包括支援センター よろこび」「指定訪問リハビリテーション 絆」も併設している。

「複合施設として、看護と介護、リハビリまで一貫したサービスを提供しています。生活支援型長期療養施設としても機能するため、介護施設利用者の健康管理、地域住民の治療の強化を図りました」(阿部理事長)

 一方で、今年からキーワードに掲げているのは「ポートフォリオ」だ。一般的には、投資家が保有する金融商品の組み合わせを指すものだが、この〝組み合わせ〟が経営の鍵を握るという。

 とくに、人事面でこのポートフォリオの概念が大切だと考える阿部理事長は「特色の異なる人をどの組織にどう配置するのか。人材配置の組み替えを戦略的に行っています。ピラミッド型の組織作りはしていません。横一線のフラットで、だれもがリーダーになれる環境を整えています」と語る。

 また、2025年には団塊世代が後期高齢者となる〝重老齢社会〟に突入する。

「機能集約型の複合施設の一層の拡充が必要とされており、新たな複合施設の開設も計画しています」と阿部理事長。

 

阿部智哉理事長
住宅型有料老人ホーム「泰」
函館市地域包括支援センターでは地域住民の支援を行う