TOMASEIホールディングス
苫小牧エリアから持続可能な社会の実現を目指す
2020年設立の「TOMASEI(とませい)ホールディングス」は、苫小牧市で廃棄物処理をはじめとした環境事業を手掛ける「とませい」(本社・苫小牧市)を中心とした5社を傘下に持つ。
グループの創業年である1953年に、家庭ごみの収集を開始。その後、廃タイヤリサイクル、再生可能エネルギーの創出、農業事業への参入など、業容を拡大している。
22年4月にはSDGsの達成に向けた取り組みを策定した。
環境事業を通じた「持続可能な社会の創造」や、「やりがいと成長を育む職場づくり」、「地域経済と社会の発展」などを目標に設定している。
「環境事業」の一例が、再生処理プラントの「エコワークス苫小牧」だ。生活や建設現場などから排出された汚泥の中間処理を行っており、汚泥を化学的生物的に分解。固形化して肥料の原料にするなど、高度な技術を誇る。
また、収集した食品廃棄物から発生するメタンガスを利用して発電するほか、残さは肥料として再生している。さらに18年には農業にも参入している。
渡辺秀敏社長は「再生した肥料を活用し自社農園で野菜を栽培。収穫した野菜を地元の加工業者に提供しています。持続可能な社会に向けた取り組みを加速させる新たな〝リサイクルループ〟を確立しました」と語る。
一方「やりがいと成長を育む職場づくり」では、22年に新社屋を竣工。積極的なDXによる先進のデジタル環境を整備して、従業員の業務負荷軽減と生産性向上を図ったほか、災害時にも迅速に対応するBCP(事業継続計画)対策も講じられている。
「地域経済と社会の発展」においては、苫小牧市内の少年野球や中学生バドミントン大会をスポンサーとして主催。また、地元花火大会への協賛のほか、22年には北洋銀行の「SDGs(ふるさと応援)私募債」を1億円発行。発行額の2%を同市に寄付する。
渡辺社長は「苫小牧エリアのSDGsへの取り組みをリードして、地域の発展に努めてまいります」と意気込む。