丸水札幌中央水産
地産地消を推進。海と食卓をつなぐ先駆的企業
1960年の創業以来、〝海〟と〝食卓〟をつないできた水産物の商社。
23年は、道民から長く支持される秋サケやイカ、サンマの水揚げ量が減少した一方で、ブリやフグが増加した。しかし、そのほとんどが道外に流通されているという。
「北海道ではブリやフグはなかなか売値がつきません。道内で水揚げが増えているものを道民の皆さまに召し上がってもらえるよう調理方法などを工夫し飲食店に提案していきます」と竹田剛社長。
また、福島第一原発の処理水放出で、中国への水産物の輸出が停止した。最大の輸出先を失った影響は大きく、水産業界では今後も風評被害が続くと予想されている。
竹田社長は「水産物の輸出に関しては、中国に頼っていた部分があります。今後は道産ホタテを中心に、欧米や東南アジアへの輸出も増やしていかなければいけない」と危機感を口にする。
一方、社員教育や採用にも力を入れる。その取り組みの1つとして、23年2月には、自社オリジナルのVtuber「カムイファレナ」が誕生。若者へのPRを強化した。水産会社がオリジナルキャラクターを持つケースは珍しく、今後もSNSでの発信にも期待がかかる。
竹田社長は「海外出張の際に、円安の影響を身をもって感じました。世界情勢を見つつ、賃上げなど社員への還元も視野に入れていく」と新年の決意を語る。企業の持続的発展のため、改めて〝人〟への投資を加速させる。