ほっかいどうデータベース

丸水札幌中央水産

札幌市中央卸売市場の卸売業者として水産物の公正な取引を行う

水産資源の変動に対応し、消費者への安定供給に尽力

 札幌市中央卸売市場の卸売業者。60年以上にわたり、北海道の食を支えるため、水産物の安定供給に努めてきた。

 近年は、気候変動の影響から水産資源に変化が起きている。道内でも代表的な秋サケやサンマの水揚げ量が減少する一方、ブリとフグの水揚げ量は全国1位となるなど、ここ数年の増減は大きい。

 竹田剛社長は「ブリやフグなど水揚げが安定してきているものを流通させることが私たちの役目。北海道全調理師会と話をしながら、道民に親しんでもらえるメニューを開発したり、量販店や外食産業には消費者が手に取りやすいパッケージや、より効率的な流通方法を提案しています」と話す。

 24年10月には、親会社の「マルスイホールディングス」と生鮮食品や加工食品の卸売や製造、流通などを担う「キョクイチホールディングス」(本社・旭川市)が業務提携をした。在庫管理や物流などの業務効率化や生産性向上を目指し、両社の収益力強化へつなげていく方針だ。同社は荷受として、旭川を拠点とするキョクイチの物流機能の活用などの多角的な協力体制を構築する。

 また、人材確保も積極的に行う。24年の新卒採用では課題解決型のインターンシップを実施。学生は市場でのセリ業務や商談、企画設計などに携わった。25年4月には、5人の新卒者が入社する予定だ。

 竹田社長は「物価上昇や小売・流通業界の再編などに臨機応変に対応していく」と決意を固める。

水揚げ量が全国1位となったフグを道内外に流通させる
竹田剛社長(左)と武藤修会長