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オリエント建設

中学時代の同級生でもある中村徹郎常務(左)と谷口正樹営業課長がけん引

高付加価値とコスト削減で本州の賃貸市場を見据える

 完全フルオーダーの賃貸物件を供給する。金融機関の融資引き締めに加え、23年は地価や建築費が高騰。例年より着工数が減少した。

 中村徹郎常務は「不動産投資の潜在的な需要は依然として高い。24年以降は付加価値とコスト削減がキーワードとなる」と話す。

 付加価値を高めるため、まずは自社物件で実験的な取り組みを進めている。22年から札幌市中央区で稼働中のマンションは、内外装すべてがデザイナーズとなっており建具もオリジナルで製作したほか、水回りもハイクラスな仕様。オーナーの所有欲を満たし、入居者の満足度も高い。民泊やマンスリーマンションとしても活用できる。

 谷口正樹営業課長は「コロナ禍を経て在宅が見直された。防犯対策として顔認証システムの導入やオンラインゲームを楽しむためのインターネット環境の向上にも力を入れています。独自の付加価値を模索しています」と話す。

 一方、コスト削減の取り組みも同社ならでは。

「これまで建築現場の廃材は費用を支払い、産業廃棄物として処理していたが、新規事業で24年に札幌市南区定山渓に1万4000坪のキャンプ場をオープン。ここで薪(まき)として販売する予定です。古物商の許可も取得しており、SDGsにも貢献できる」と中村常務。

 将来は本州地域での物件供給も検討中。北海道で培われた高断熱仕様物件の強みを首都圏のオーナーに届ける。

同社のデザイナーズ物件は水回りもハイクラスな仕様