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オリエント建設

室内に家具などを配置した同社の民泊用物件

25年は民泊物件で高利回りを提案。人材採用も積極的

 札幌市内で4階建てRC造の賃貸物件の企画と管理を主業とする不動産会社。土地や建築資材の高騰が続いた24年は事業計画や原価率の見直しなどを進め、利益確保に取り組んだ。すでに25年以降の省エネ関連法制度への対応や土地の仕込みが進む。

 今後の地価上昇を見越して新規事業も模索する。既存の賃貸経営は「自社で利益が取りにくく、オーナーの利回りが確保できない」という課題に直面しつつある。

 中村徹郎常務は「今後も建設コスト削減の努力を続ける一方、立地やデザイン、価格などで他社と競わない独自の強みが必要」と、新たな投資スキームを検討。すでに同社の施設事業部を中心に事業拡大し、異業種からも積極的に若手人材を採用している。

「賃貸に民泊を組み込んだ物件です。家具などの初期投資や宿泊施設に対応した消防法令の適用を受けるなどのハードルがあるものの、高い利回りが魅力です」と中村常務。

 24年末には、札幌市中央区に8階建てS造の民泊物件用に土地・建物を仕入れる。ノウハウを得て、まずは既存オーナーに提案する計画だ。

 中村常務は「賃貸物件販売から賃貸管理・民泊管理まで同時に請け負うことで幅広い提案が可能です。一貫した業務は独自のサービスとなり、管理契約の解約抑止にもつながる。金融機関に対しても実績のある資料提出が可能です」と自信を見せる。

 25年以降は、民泊に関する届出や手続きなどをサポートする体制も検討していく。

 

中村徹郎常務
施設事業部の菅野哲哉氏
施設事業部の中島理志氏