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厚岸ウイスキーの二十四節気シリーズから新商品発売

二十四節気シリーズ 厚岸ブレンテッドウイスキー「小雪」

厚岸ウイスキーの製造・販売を行う堅展実業(本社・東京都千代田区、樋田恵一社長)が、11月に季節を表す名前をつけた二十四節気シリーズの第13弾「小雪」を発売する。冬に向け、フルーティーな味わいに仕上げられている。

 厚岸ウイスキーは、2018年の「厚岸NEWBORNシリーズ」発売後、これまでに20種のウイスキーをリリースし、「ワールド・ウイスキー・アワード」や「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」などの世界的な酒類コンペティションにおいて複数の賞を受賞。国内外から高い評価を得ている。

 20年からは「二十四節気シリーズ」の販売を開始。二十四節気は中国の古来から伝わる暦の区分で、1年を24通りに分け、それぞれの季節にふさわしい名前がつけられている。これをモチーフとしたのが二十四節気シリーズで、11月に販売がスタートする第13弾の「小雪」は、スコットランド産のグレーンを厚岸で熟成させた原酒と厚岸のモルト原酒を組み合わせたブレンテッドウイスキー。香り高い個性あふれる味わいが特徴だ。

 厚岸蒸溜所所長兼チーフブレンダーの立崎勝幸氏は「冬に向けてスモーキーさを控え、フルーティーに仕上げました。年末の家族だんらんなど、特別な日にさまざまな料理と合わせて楽しんでほしい」と話す。

 また、二十四節気シリーズのラベル、化粧箱のデザインを手掛ける尾谷憲一氏は「ラベルはスコッチウイスキーのタイムレスでクラシックな装いを参考にしています。一方で、日本の季節が持つ物語性や現代の流れであるクラフト感も併せ持つよう心がけています。和紙を使用していることも特徴です」と語る。

 厚岸ウイスキーの製造を担う厚岸蒸溜所は、道内ではニッカウヰスキー(余市町)に次ぐ約80年ぶりの蒸溜所として、16年に蒸溜を開始。21年には国内ウイスキー蒸溜所初のHACCPを取得したが、これは所長の立崎氏が前職で乳業メーカーに勤めていた経験から、「お客様に安心・安全なウイスキーを提供したい」とスタッフ全員で品質管理や衛生管理を徹底した結果だ。

 22年5月には製麦棟も稼働し、ウイスキーの原料となる大麦を乾燥させる作業を自社で行っている。スモーキーな香りを特徴とするスコットランドのアイラ島のウイスキーづくりを手本として、大麦も厚岸町で栽培。近年は、ドラム式の製麦機を導入し、ピート麦芽の製造にも取りかかっている。さらに、ピートや原酒を熟成する際の木樽も厚岸産のミズナラを使い、〝オール厚岸産〟のウイスキーづくりを目指している。

「ブレンダーとして、男性はもちろん、女性にも飲みやすく、さらに飲んでいただいた方が笑顔になれるようなお酒を目指しています。ストレートやソーダ割りなどの飲み方にこだわらず、一度飲んでいただき感想を聞かせてほしい」と立崎氏。

2021年にHACCPを取得した厚岸蒸溜所
厚岸蒸溜所所長兼チーフブレンダー立崎勝幸氏
尾谷憲一氏