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【民泊・マンスリーMSの「ベストステイ札幌」相澤亮佑社長】苦学生を救う あしながチケットプロジェクト

民泊・マンスリーMSの「ベストステイ札幌」相澤亮佑社長

小樽出身、叩き上げ経営者38歳の新たな挑戦

急成長中。今年初めには飲食事業にも参入

札幌市内および近郊で民泊・無人ホテルやマンスリーマンションなどを数多く運営する「ベストステイ札幌」。不動産収益の最大化を目指す「アセットマネジメント事業」と、そのノウハウを活用した「地域振興事業」の2つを柱に、急成長を遂げている注目企業だ。

昨年からは、余市郡仁木町のカジュアルイン仁木の指定管理者として公的施設の運営も手掛けており、現在も複数の道内市町村との連携に向け協議が進む。年内には、話題沸騰中の千歳市で無人ホテル5階建17室のオープンも控えている。

陣頭指揮を執る相澤亮佑社長は小樽市出身。38歳の若さながら、会社社長や不動産投資家としてさまざまな社会活動を行う。2023年初めには「味処こめます」(豊平区豊平7・8東光ストア西館)の運営会社であるディア・エンタープライスを個人で買収しグループ化した。これを機に飲食事業にも参入し、今後はラーメン店も新規展開していくという。

「味処こめます」は〝おふくろの味〟がコンセプトの定食屋だ。店内仕込み・店内調理にこだわり、揚げ物・炒め物や懐かしのカレー、スパカツといった手作りメニューを提供している。仕事の合間に訪れるサラリーマンやボリューム満点の料理を求める学生などで、店内は連日盛況となっている。

学生と協賛企業にメリットが生まれる仕組み

この「味処こめます」で、相澤社長が始めた新しいプロジェクトが「あしながチケット」だ。

親の所得格差によって教育環境にも格差が生まれていることが問題となっているが、「あしながチケット」は、相澤社長が苦学生を救いたいとの強い思いで実現。大学生や高校生がLINEの公式アカウントで発行されるチケットを店舗に持っていくと、1000円相当の食事がわずか300円で楽しむことができる。

その仕組みは、相澤社長が先輩経営者に協賛を募っており、協賛企業の協力によって成り立っている。学生は食事を割安で食べられる一方、協賛企業はインターン情報や求人情報のほか、企業独自のお得な情報を直接配信することが可能だ。

協賛企業側にも採用や認知の面でメリットがある。〝win‐win〟の関係が築かれており、「優秀な学生たちに直接かつ確実に情報提供できる」といった称賛の声が寄せられている。

大学時代に教員免許を取得している相澤社長は、教育の知見も有している。「私の学生時代は、アルバイトを掛け持ち、寝ずに遊び、勉強もするという生活だったが、その時代の価値観に合わせていく必要がある。私の学生時代と比較しても、親の所得格差により学生たちは機会損失が多くあると感じる。学生生活は貴重です。本来、勉学や友人との思い出作りに多くの時間を割くべきで、稼いだお金は学費や生活費ではなく、旅行などの体験や自己研鑽に使うべき」と熱い思いを語る。

「あしながチケット」は、X(旧ツイッター)公式アカウントのフォローと固定ページのリツイート、LINE公式アカウントをともだち登録することで利用が可能。夜の部の営業時間内限定で、店舗でチケット画面と学生証を提示することで活用できる。

このほか相澤社長自身の取り組みとして、社内に資格取得支援制度を導入。店舗で働く学生アルバイトの資格取得を支援している。

相澤社長は「宅建やFP、簿記に関しては受験料とテキスト代は私が負担しています。私も国家資格を多数取得しているので、試験対策で教えたりもします。私にも、この恩師がいたからこそ人生が変わったと一生感謝すべき先輩がいます。自分も誰かの役に立てたら光栄です」と笑顔で語る。

「あしながチケット」は、半年後までに登録者数5000人を当面の目標としている。LINE公式アカウントのともだち登録は左記のQRコードでできる。一方、学生を支援したいという協賛のお問い合わせは、aizawa@komemasu.comまで。

札幌市営地下鉄学園前駅から徒歩4分で、北海学園大生や北海高生にも長く愛されている。
駐車場も60台以上完備している。
1990年代に一大ブームを巻き起こしたリトルスプーンのカレーを唯一店内提供している