「人を大切にする経営者塾」9月から北海道で初開催
「人を大切にする経営学会」(東京都千代田区、坂本光司会長)が、北海道で初めての経営塾を今年の9月から24年3月の4回シリーズで開催する。同学会の先駆者を講師に迎える至宝の経営者塾は現在、参加者を募集中だ。
2014年9月に設立された「人を大切にする経営学会」は、経営学者や社会学者、経営者、公認会計士、経営コンサルタント、金融機関の担当者などが参加する学際的かつ業際的な学会。「『業績ではなく、人をトコトン大切にしている企業こそが好不況にぶれず好業績』という近年の先行研究の深化および体系化」と、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」などの開催によって人を大切にする企業経営の普及を目的に活動している。
道内では、奥山敏康アイワード社長が北海道支部長を務め、公開フォーラム開催などを通じて普及に尽力。北海道初となる今回の経営塾「2023年度 人を大切にする北海道経営者塾」を主催する。
特別講座は4回シリーズ。一方的な講義ではなく、グループディスカッションを多く取り入れているのが特徴で、課題を得ながらビジネススクールのゼミ形式で運営する。
坂本会長が講師を務める第1回目は、9月22日(金)午後2時〜午後4時30分の開催。「人が集まり成長する、いい企業になるための100の指標とモデル企業30社」がテーマ。
第2回は、11月1日(水)午前8時〜午後1時30分。人を大切にする会社の最高モデルと言われる伊那食品工業の井上修会長が講師で、長野県の本社訪問研修と懇親会が行われる。
第3回は、24年1月19日(金)午後2時〜午後4時30分。「社員の幸福と地域社会への恩返し」をテーマに、小澤邦比呂松川電氣社長が講義を実施する。第4回は、3月6日(水)午後2時〜午後4時30分。同学会副会長も務める二宮生憲さくら住宅相談役が「五方良しの経営」をテーマに講義を行う。
坂本会長は「現在、日本は労働者5000万人の2割が転職を考えているといわれる。また北海道では、40年までに現在の生産人口の27.6%に当たる82万人が減少。人材を確保するのがさらに困難な時代になる。
人、社員を大切にする経営思想は、業績や株主重視の欧米企業にも広まってる。人材確保がより困難になる時代を前に、経営方針を見直してもらいたい。特に中小企業は、人を大切にする企業経営で、人材の確保力や育成力、モチベーション力が高められる」と訴える。
また、日本の出生率は1.2〜1.3程度だが、人を大切にする経営を実践する企業の従業員家族の出生率は2.0となっている。社員を大切にすることで幸福感が生まれ、少子化対策にもなると考えられている。二宮副会長は「募集する塾生は20人程の少人数で、密度の濃い内容です。ぜひ参加して欲しい」と呼びかける。
会場は札幌駅前ビジネススペース(札幌市中央区北5条西6丁目第二北海道通信ビル2階)
参加費は1人4万4000円(税込)。詳細・申し込みは、https://ws.formzu.net/fgen/S77009835/まで。