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道内企業間での利用が拡大中 今話題のビジネスチャット「Chatwork」とは⁉︎

働き方改革の一環として、ICTツールを導入する企業は増えている。中でも、国内最大級のビジネスチャット「Chatwork」(チャットワーク)は、これまでDXが進まなかった中小企業を手助けするツールとして注目を集めている。

メッセージのやりとりやタスク管理、ファイル共有、ビデオ通話などが可能なクラウド型のビジネスチャットで、高度なセキュリティー水準を満たしており、官公庁や大企業でも導入されている。利用者数は右肩上がりで、解約率も0・35%と高い定着率を誇る。導入企業は39万7000社(2023年3月末時点)を超えている。

北海道でも多くの企業が利用をしており、その理由として最も大きいのが〝無料〟から簡単に始められることにある。メッセージのやりとりはもちろん、ビデオ通話に加えて、昨年10月にはグループチャットを無制限に作成することができるようになり、より活用しやすくなっている。

また、近年の社会情勢を受け、テレワークを導入する企業が急増し、ビジネスチャットの普及が加速。「Chatwork」の導入も道内で進んでおり、社内だけではなく、社外とのやりとりで活用する中小企業が増えている。業務の効率化や生産性の向上に成功した3社へのインタビューでその事例を紹介しよう。

 

元気な介護 土橋 鉄平 次長

全国154カ所の事業所と連携を強化。組織力の向上を実現

――「元気な介護」さんの事業内容を教えて下さい。

土橋 介護保険法にもとずく事業と高齢者向け住宅運営事業を主軸にしています。2023年7月時点で、7都道府県に154カ所の事業所を構え、1471人の従業員が勤務しています。

――Chatwork導入の経緯は。

土橋 DXの一環として導入しました。他のビジネスチャットとも比較しましたが、ビジネス向けの機能がそろっており利便性の高さとコスト面から選びました。

――導入後の変化は。

土橋 最初は外部との連絡ツールとして一部の社員が活用していましたが、現在は全従業員にアカウントを付与して、社内のコミュニケーションツールとしても活用しています。

導入後はペーパーレス化が進んだほか、コミュニケーションも飛躍的に円滑になりました。外部とのタイムラグも減りスムーズなやりとりを実現しています。社内ではグループチャットを活用し、これまで紙で行っていた申し送りや電話でのシフトの確認、事故を未然に防ぐための情報共有などをグループチャットで行い、どこでも即座に情報を確認できる環境になりました。

シフト制で全国に事業所があるので、従来は本部からの情報が全従業員に行き渡るまでのスピードのばらつきや伝達の漏れがありました。グループチャットでは、一括で全体周知できるので、これらの課題を解決し、全国の事業所との連携強化につながっています。

このほか、データの共有も簡単にできるので労務手続きなどの管理業務が簡素化し、業務の効率化になっています。

――最後に一言お願いします。

土橋 「Chatwork」は組織全体のパフォーマンスを高めるのに最適なツールだと思っています。まずは、無料で始められるので、初期投資がなく、道内企業の方々にも利用をおすすめします。

 

税理士法人マッチポイント 鈴木 洋平 氏

社外ともグループ機能を活用し、円滑な情報共有と業務効率化を実現

弊社は、2019年に設立した税理士事務所で、創業当時から「Chatwork」を導入しています。我々は社員の得意分野を生かすために、分業で業務を行っています。その際に大活躍するのが「Chatwork」のグループ機能です。1つのプロジェクトに多くの人が関わるので、コミュニケーションが分散し、どこにどの情報があるか分からなくなりますが、グループチャットで情報の一元化ができます。

「いつもお世話になっております」などの定型文や形式的なマナーが必要ないので、取引先とのやりとりも簡単かつスピーディーにできます。

また、コミュニケーションが可視化されるため、業務上のやりとりが上司への報告になり効率化も図れます。複数のグループに責任者が参加することで、常に社員の進捗状況を把握できる環境なので、上司と部下の間でありがちな〝言った言わない問題〟が避けられます。このほかにも、報告だけの会議はすべてチャットで行っています。報告書を作成する必要がないので、ペーパーレス化になり、社員の時間を奪わないので業務効率の向上につながっています。今では「Chatwork」がなければ仕事ができないほどです。

 

ショコラティエ マサール 古谷 健 代表取締役

メールを「Chatwork」に置き換え、社内外を問わず連携強化、生産性も向上

今年、創業35周年を迎えた弊社は、ショコラ専門店として、札幌市に3店、新千歳空港に2店の5店舗を展開しています。「Chatwork」は約5年前から導入しています。

導入前は店舗・部門間の情報伝達のスピードが遅いうえ、連絡漏れもあり全社員に行き渡らず情報格差が生まれるといった問題を抱えていました。「Chatwork」のグループチャットを使うことで、リアルタイムで各店舗の情報を一括で複数の従業員に周知することができます。部門間のコミュニケーションも円滑化したことで、業務の効率化と生産性も向上しました。

商品は自社製造のため、まれに不良品が見つかることがあります。問題が起こった時も「Chatwork」で業務プロセスに携わった全従業員と情報共有できるため、迅速に対応でき、再発防止策を講じる事ができます。

また、外部とのやりとりでも活用しています。今では、大半がメールから「Chatwork」に置き換わっています。利用されている会社が多いので、外部との連携も取りやすく、メールと比べてレスポンスが早いので利便性の高いツールだと思います。

グループやタスク管理機能を活用し業務を効率化
本部からの連絡は、主に「Chatwork」で行う
DXを推進し、ペーパーレスを実現した社内
店舗間の情報共有が進み効率化も実現