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KOUSHIN GLOBAL VISION

道路舗装工事のようす。いち建舗装工業が工事、骨材運搬を広信工業が担う

積極的なM&Aで業容を拡大。
グループ全社で好調を維持する

〝次なる革新へ〟をビジョンに掲げる「KOUSHIN GLOBAL VISION」は、2020年に「広信工業」「マルハリ」「森下建材」の3社の持株会社として発足。M&Aや関東への拠点配置などで業績を伸ばし続けている。

グループの中核を担うのは広信工業(本社・札幌市)。骨材(コンクリートやアスファルト混合物の精製時に材料として用いられる砂利や砂などの総称)などの運搬を手掛ける。近年は大型案件も受注。今年5月からは、道央自動車道の舗装工事で合材運搬がスタートする。

土砂運搬も手掛けており、21年から北海道新幹線「札樽トンネル」建設工事、22年には石狩川改修工事を受注した。いずれも5年以上続く大型案件だ。

さらに、今春からは産業廃棄物の運搬も予定している。旭川市のパルプ工場で発生した産業廃棄物を運搬するもので、新潟県にある専用処理場までの運搬を担う。

マルハリ(本社・札幌市)は、雑貨や引越しの長距離輸送を手掛ける。神奈川県にも支店を開設しており、22年から食品輸送にも参入。国内大手スーパーを顧客に抱えるなど、本州エリアにおいて着実に拡大している。今後は、関西エリアに営業拠点を開設し、輸送網の効率化を図る計画だ。

また、骨材販売を手掛ける森下建材(本社・札幌市)も業績は堅調。建設現場で必要な土や砂、砕石などを取り扱っており、近年は家庭菜園向けに個人顧客からの受注も増加した。新たな需要の掘り起こしにも成功している。

一方、昨年11月にはグループ4社目となる「いち建舗装工業」(本社・札幌市)をM&Aで傘下に収めた。30年以上の歴史を持つ道路舗装会社で、アスファルト舗装工事を中心に、土木工事や重機による除雪事業なども手掛けている。

同社のグループ化により、骨材販売から輸送、舗装や土木工事までを一手に担うことが可能となり、業容を拡大させた。

さらに、冬期間は広信工業がダンプによる排雪運搬を行っていたが、いち建舗装工業が加わったことで、除排雪事業のワンストップ化も実現。グループでの体制を強化することにも成功した。

「M&Aによる業容拡大で受注の増加につながっています。事業効率の向上とコストダウンにも成功しました。今後も業種問わず、グループ会社の強みを生かせるM&Aを積極的に行っていくつもりです」張本淳史社長。

張本淳史社長
マルハリは雑貨や食品輸送を手掛ける