KOUSHIN GLOBAL VISION
〝電波力〟で業界のイメージを払拭して人材を確保
「企業には情報を受発信する能力が必要です。当社ではこれを〝電波力〟と位置づけています」と話すのは「KOUSHIN GLOBAL VISION」(コウシングローバルビジョン)の張本淳史社長だ。
同社は、「広信工業」「マルハリ」「森下建材」「いち建舗装工業」の4社の持株会社。建設用骨材の販売から輸送、舗装や土木工事をグループ内で完結している。張本社長が言う〝電波力〟の底上げで成長を続けてきた。
その一例がSNSを駆使した自社プロモーションだ。
例えば、骨材などの運搬を担う広信工業のインスタグラムには、札幌市在住のインスタグラマーで、同社顧問の三好清氏を広告塔として採用。おしゃれな女性が大型車と写る画像を投稿し続け〝男性が多い業界〟〝体育会系で体力的に厳しそう〟などの業界イメージを刷新した。
同社のインスタグラムのフォロワーは4万人超(2024年3月現在)に跳ね上がり、全国的にも話題となった。23年12月には、札幌商工会議所などが主催する「物流フォーラム」の講師依頼が舞い込むほど。SNSを駆使した試みは多方面から注目されている。
「SNSは若い世代の情報収集ツールです。運送や建設業を男女問わず憧れる業界にしたかった。当社では23年も3人の女性ドライバーが入社しました」と張本社長。
こうした取り組みは〝ジェンダーレス〟を掲げるSDGsにもつながっている。同社は業界に先駆けてSDGsに取り組んできた。22年には排気ガス抑制車両の積極導入などが評価され、日本SDGs協会から「SDGs事業認定」を取得している。
また、24年3月には北海道銀行と道内運送業界初となる「ポジティブインパクトファイナンス」の契約を締結した。
これは、主にSDGsの達成に向けた金融機関による融資制度であり、企業活動が経済・社会・環境にもたらす影響を金融機関が分析・評価。ポジティブな影響の増大とネガティブな影響の低減に向けた取り組みを積極的に支援するものだ。
「対外的にさまざまな情報発信と受信をしてきた成果です。今後も〝電波力〟の感度を高めていく」と張本社長。