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初期費用なしのPPAサービス「シェアでんき」が注目

省エネ基準としてZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅の普及が進む中、太陽光パネルの設置が進んでいない。そんな中で、初期費用なしでパネルが設置できるPPAサービス「シェアでんき」が今注目を集めている。

伸び悩む住宅用太陽光パネル

政府は現在、2050年までに温室効果ガス排出量と吸収量を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に向けて取り組んでいる。住宅・建築物関連では30年には新築でZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)基準の省エネ性能が確保され、戸建の6割に太陽光発電設備を導入することを目標としている。

住宅購入の金利においても、省エネ性・耐震性などの質の高い住宅を取得する際に利用できる「フラット35」Sなど、住宅ローンや税制優遇の制度がすでにスタートしており、「太陽光発電なし」の住宅は今後、考えられない時代へと突入している。

一般社団法人住宅生産団体連合会(住団連)による「戸建注文住宅の顧客実態調査」でも64・4%の人が太陽光発電に関心があるとしていて、昨今の電気料金の値上げも後押しする形で太陽光発電の関心の高さは向上している。

本州の大手ハウスメーカーでは、すでに自社で太陽光パネルを標準搭載しており、光熱費の大幅削減に取り組んでいる。しかし、道内では広瀬技建(本社・札幌市北区)や山下ホーム(本社・札幌市中央区)などごく一部のメーカーが実施しているのみで、ほとんどが太陽光パネルの設置を推し進めておらず、普及が進んでいないのが現状だ。

その理由としては、資材価格の高騰などで建築費が年々上昇していることに加え、太陽光を購入して設置する費用を資金計画に上乗せするのは困難と感じる購入者が多いこと。また、分割で太陽光を導入しても住宅ローンの支払いにプラスして毎月の支払いが発生するため、購入するのとあまり変わらないという費用面がネックとなっている。

また、メーカーの担当者も購入者に対してZEH(住宅)の説明をほとんど行っていないというのが実情で、太陽光パネルの施工業者においては事業の撤退が急増。リース業者でも募集を停止するなど、道内では太陽光パネルの設置が進んでいないのが現状だ。

無料設置型太陽光パネルが注目

そんな中で、PPA(Power Purchase Agreement)と呼ばれる「太陽光発電設備の無償設置」が今注目を集めている。これは〝屋根貸し〟と呼ばれる第三者所有型のシステムで、このPPA事業を展開しているのが「シェアリングエネルギー」(本社・東京都港区)。〝シェアでんき〟の名称で全国でサービスを展開しており、道内では「シェアでんき北海道」(札幌市東区)がサービスを行っている。

このシェアでんきは、住宅の屋根に国内メーカーの太陽光パネルを無料で設置。工事費や架台料金、パワーコンディショナーなどの機器代金、国に対する電気の申請費用などの初期投資費用はかからず、住民は15年間住宅屋根を貸すことで発電した電気を1㌔㍗当たり25円と通常のほぼ半額程度の料金で利用できる。

契約終了後は発電システムがユーザーに無償譲渡され、余った電気を売電して収入にすることも可能。契約中も自然災害、動産、賠償保険で屋根の雨漏りや不具合を保証する。

また、災害などによる停電時には、太陽光発電システムの発電時間帯であれば、発電量の範囲(最大1500㌔㍗)まで、非常用電源として利用できる。

「北海道は本州と比べ、コスト面で無料での設置には適していないエリアなのですが、道内の複数のハウスメーカーからの強い要望で4年前から実施しています。新築住宅をお考えの方はぜひご検討いただきたい」とはシェアリングエネルギーの近藤陽一営業部長。

詳しくは「シェアでんき北海道」のホームページ (https://roofman.jp)を参照のこと。問い合わせは、同サイトの「お問い合わせ」から対応している。

建売住宅のZEH供給数ナンバーワンは「シェアでんき」が大きく貢献
●山下ホーム 山下 哲史 社長

当社が供給している自社設計、自社施工の建売物件「グレイスホームZ(GRACE HOME-Z)」は、すべてZEH住宅であり、建売住宅におけるZEH供給数では道内ナンバーワンとなっています。

ZEH仕様住宅の実績などで評価するZEHビルダー評価制度でも、当社は最高ランクの「6つ星ビルダー」の認定を受けており、100%ZEHの建売住宅を供給する数少ないハウスメーカーです。これはコストを大きく抑えることができる「シェアでんき」さんのおかげといっても過言ではありません。

今後も今まで以上に性能にこだわった住宅を提供してまいります。

シェアでんきのサービスモデル