メディカルファイブ
地域密着の調剤薬局として在宅医療の普及・拡充に寄与
道内に11店舗の調剤薬局を運営する「メディカルファイブ」。札幌市と小樽市では「クローバー薬局」、「アイリス調剤薬局」、「大通西薬局」、「そよかぜ薬局」、「クリニカル調剤薬局」の5ブランド9店舗を展開。道北エリアでは、中頓別町と音威子府村で「すずらん薬局」2店舗を運営している。このうち2010年以降に開設した調剤薬局が10店舗と、近年は事業拡大を積極的に進めている。
コロナ禍をきっかけに現在、厚生労働省ではオンラインでの診療や服薬指導を恒久的に認めているが、同社では時限措置での施策であった20年から即座に対応。LINEでの処方箋受付やオンライン事業も拡大している。
また、コロナ禍での受診控えが拡がっているが、かねてより在宅医療に着目。10年には薬剤師が常駐する従来の業務形態から、患者のもとに薬を届ける在宅訪問事業にいち早くシフト。また在宅医療の需要拡大を見据え、道内の調剤薬局では10%未満の設置にとどまる無菌調剤室を3店舗に設備している。
「これまで病院に限られていた点滴療養が、近年は自宅で行えるようになりました。他に先駆けて点滴調剤の調製に必要な無菌調剤室を設置しています」と木﨑啓介社長。今後は地域の医療機関との連携をより強化し、在宅医療のサポートと普及を推進していく。
また、在宅の終末期医療については「がん末期の患者さんなどは、これまで病院のベッドで最後を迎えるケースがほとんどでしたが、住み慣れた自宅で治療を受けたいという声が、患者さんやご家族から多く寄せられています。こうしたニーズにも応えていきたい」(木﨑社長)。
さらなる出店も計画し、機械化やITロボットの導入も視野に入れ、水面下で準備を進めている。
「まずは札幌市内全ての区で医療サービスが提供できるように、西区、清田区、厚別区、白石区に新店舗を検討しています。また、道北エリアを中心に道内の過疎地域医療に寄与できる体制作りにも積極的に取り組んでいきます。住民の健康や地域の医療を守るための地域に根ざした調剤薬局として、引き続き業務にまい進していきます」と木﨑社長は誓う。