DieKraft(ディクラフト)
さまざまな建機を開発。特許取得で道外のニーズも拡大
建設や解体、補修工事には建機や重機が必須。苫小牧市に本社を構える「DieKraft」も機械開発を手がける企業の1社だ。
建機・重機から農機など機械全般の開発・製造で事業を展開。2016年創業と新興ながら、道路舗装の全国大手企業を顧客に持つなど道外での需要も拡大中だ。
同社が開発した代表的な製品が、熱風を使用する半熱交換型の路面乾燥車「マグニス」だ。建機レンタル業界国内大手から委託を受け開発したもので、従来の直火型と比べ、路面を焼かず、アスファルトへのダメージを大幅に軽減することに成功した。
特に直火型路面乾燥車は冬期間のみの使用に限定されるが、マグニスは夏場の使用も可能。道外企業からの引き合いが多いという。この技術は17年に特許も取得している。
さらに同年には、油圧ショベルに取りつけるフォークバケット「ガルーダ」の製造を開始。「掘る」「すくう」「掴む」を一度に行うことを可能にした。
「フォークを閉じた状態でもバケットとして使用できるのが特徴。近年は解体業者からのニーズが高い」と小野寺力社長。
今年10月には解体業の双葉工建(本社・札幌市)から依頼を受け、新型ガルーダ「FGAガルーダ双葉model」の製造にも着手した。
最大の特徴はバケットがカッター仕様になっていることだ。従来、鉄骨などの切断には鉄骨カッターなどの専用機械と、廃材処理のショベルの最低2台が必要だった。しかし、この新型ガルーダは1台2役で大幅な効率の向上を実現した。
小野寺力社長は「双葉工建様の要望を具現化したものが同製品。これまで鉄筋の切断作業は効率が非常に悪かったが『FGAガルーダ双葉model』はこうした問題を解決できる。現在、双葉工建様と共同で小型内装解体機も開発中です。特許も取得できれば」と話す。
さまざまな自社開発の建機を世に送りだす一方で、昨年10月には苫小牧市の機械整備会社をM&Aするなど着々と体制も整える。
これにより開発、修理から整備までワンストップで対応することが可能となった。故障の発生を未然に防ぐことにつながり、顧客からの信頼もさらに厚くなったという。
「クライアントのニーズを具現化するのが当社の役割。社会から必要とされる黒子企業であり続けたい」と小野寺社長。