特集・伊藤義郎奇譚
昨年12月5日に96歳で死去した伊藤組土建会長・伊藤義郎氏にまつわる秘話・逸話を集めた特集。北海道商工会議所連合会会頭、北海道建設業協会会長、全日本スキー連盟会長、北海道日米協会会長……建設業界のみならず、北海道の経済、スポーツ界に多大な貢献をしてきた伊藤氏は、前回1972年開催の冬季五輪札幌招致では招致委員長として尽力した。そうしたこともあり、冬季五輪とウィンタースポーツにはことのほか思い入れがあったという。
半世紀にわたりスキー振興に力を入れてきた伊藤氏との思い出について、伊藤氏からトップの座を引き継いだ全日本スキー連盟会長の勝木紀昭氏や、スキージャンプの葛西紀明・原田雅彦両氏らが振り返った。
また多方面にわたる活躍の裏にある数々の逸話を収録。旧伊藤邸マンションの前にそびえる、自身の誕生とともに植えられた樹の話、丘珠航空祭での自衛隊管制、よど号ハイジャック事件のパイロット雇用、GHQを通じての渡米……創刊61年を数える本誌の記録、広範な関係者が明かした秘話など伊藤氏の“奇譚”を総ざらいする。
堀井学(比例北海道ブロック選出衆院議員)“裏金”の代償
昨年末から国政の中枢を揺るがす政治とカネの問題。本道では自民党・安倍派の議員が衆参両院合わせて5人。そのうち、派閥の政治資金パーティーの券をノルマを超えて売り、高額なキックバックを裏金として受けていたとされるのが比例北海道ブロック選出衆院議員・堀井学氏。過去に秘書が横領を働いたかどで逮捕された堀井氏は、昨年11月に公表された2022年分の政治資金収支報告書では、秘書が約2400万円を横領した、と記載。だが元秘書側は「そんなに横領していない」と反論するなど、ドロ沼の様相を呈している。
本誌発売と前後して堀井氏周辺に動きがあると言われており、関係者が固唾を呑んで見守る状況。検察の動きや地元の声など、堀井氏をとりまく最新状況を「不可解な収支報告書に関心?検事が極秘に9区入り、東京地検特捜部の本気度」としてまとめたほか、地元・北海道9区の内情を「金ナシ、秘書ナシ、事務所ナシでお先真っ暗」として掲載している。
帯広警察署は動かず債権者は激怒 破産を申し立てられた36歳“3億円借金男”
「自分の名前を使われ、多額の金を借りたまま返さない。絶対に許すことはできない」
帯広市内の設備工事会社経営者はこういって怒りを隠さない。経営する会社の従業員・Xが同僚や後輩、現場で知り合った職人らから次々とカネを借り、返さないまま音信不通になっているからだ。Xはこの経営者の娘婿でもあり、経営者の威光を使って出資の持ちかけや生活費の融通を名目に高額の金を借りまくっていた。時には自らの車に後輩を乗せ、サラ金を巡ってキャッシングさせるなど、さまざま手口を活用。集めた金は3年で約3億円にのぼる可能性があるという。帯広警察署がなぜか被害届を受理しないため、被害者らは釧路地裁帯広支部にXの第三者破産を申し立て、破産開始が決定した。Xは多額の金を一体何に使ったのかなど、深まる謎に迫った。
ススキノ・超高級ニュークラ黒服にも応募 五輪汚職、道補助金の不正…電通北海道の“人材流出”
「社内の雰囲気はどんよりしているらしい」――本体の五輪談合事件をはじめ、暗いニュースが続く広告業界のガリバー・電通の地域会社、電通北海道で若手社員の退職が話題になっているという。150人規模だった同社の社員数はここ2年で10人以上減少。目立つのが若い社員の退職だ。
「広告代理店社員は人たらしの職業なので、つぶしが利く」といった理由もあり、いま現在も複数人が転職活動をしているとされる。行き先は広範にわたり、世界的な大手企業・コンサルティング会社のほか、ススキノの超高級ニュークラの採用に応募したものもいるという。人材流出の理由を探った。
道内は全国6位(6億7000万円)赤い羽根共同募金“言いがかり”に全て答えます
街頭の募金活動やその名の通り募金者に赤い羽根飾りを贈ることでおなじみの「赤い羽根共同募金」。北海道内は都道府県別の寄付額で全国6位というが、全体としては年々寄付総額が減少の一途をたどっている。背景には募金にまつわる誤解があるといい、中には“言いがかり”に近い難癖も。同団体の担当者が率直な疑問にすべて答えた。