財界さっぽろ 2023年7月号のさわり

財界さっぽろ 2023年7月号

JA函館市亀田のずさん運営で新証言「私は事故報告書を勝手に改ざんされました」

 本誌6月号でスクープした「JA函館市亀田」のずさん運営は、JAグループ北海道や共済連北海道、農水省などが調査に動く大問題となりつつある。問題の根幹は同JAの共済事業で、20年近くにわたり同じ職員が自動車共済の事故調査係を担当、その間数々の文書改ざんによる不正な支払金が問題となってきた。

JA函館市亀田本所 ©財界さっぽろ

 その中で、本誌を読んだという同JAの組合員が「私も改ざんされました」と本誌に情報提供。「頼んでもいないのに」書類が改ざんされた、というこの組合員の証言から、同JAのずさん運営が長年にわたり続いていることを明らかに。

 同JAは徹底抗戦の構えを見せる一方、告発者である同JA現役支店長は当然ながら、確たる証拠を通報窓口へ提出。本誌記事掲載後の推移についても詳報する。

北見市役所パワハラ問題 市の塩対応に被害者職員は憤慨

 北見市役所で複数職員が上司である幹部職員にパワハラを受けた、とする本誌6月号スクープの続報。前号記事では掲載できなかった、本誌からの質問状に対する回答を紹介。

北見市役所 ©財界さっぽろ

 ただし本誌が詳報した掲載の件はすべて「個別案件のため」回答を拒否。他市を参考に回答をしないという理由を付けるなど“塩対応”に過ぎるもので、市の体質が浮き彫りになっている。

 こうした市の姿勢は事態の発生、発覚からある意味一環している。被害を受けた職員のコメントも掲載した。

ホクレン会長以外“全取っ替え” 激動のJAグループ役員改選内幕

 3年に一度行われる、JAグループ北海道の常勤役員改選が固まった。役員11人中、定年で退任が決まっていた5人以外にも4人が退任。留任もホクレン会長のみ、というまさに“ガラガラポン”、人心一新の結果となった。本記事では新たな11人がどう選ばれたのかを詳報する。

中央会会長に内定したJAひがしかわ組合長の樽井功氏(左)とホクレン会長の篠原末治氏 ©財界さっぽろ

 定年にかからないのに退任となったうちの3人は、今回から厳格化された「系統利用率」の基準に則ったもの。JAグループ「系統」から農薬や肥料、家畜のエサをどれだけ買ったか、というものだが、実は厳格化には別の意図も存在する。選考機関である役員推薦会議の重鎮たちが込めた思いとは何か。

柴田倫宏氏 ©財界さっぽろ

 さらに、本誌が半年にわたって追及してきた、JA道中央会の“機能不全”の要因といわれる学識経験者枠の専務理事については続投が決まった。子飼いの部下を始めあらゆる手段を使って自分の保身を図ったその執念が実った結果となったが、グループ内外や永田町農林族・霞が関からは落胆する声が挙がっている。その内幕とは。

大泉潤市長の目玉政策 新幹線函館乗り入れ“いばらの道”

 先日の函館市長選挙で圧勝した大泉潤氏が公約の先頭に掲げたのが「北海道新幹線の函館駅乗り入れ」。大泉氏は当選後早速、実現を探る調査費用を議会に提案するなど、動き出している。

大泉潤氏 ©財界さっぽろ

 乗り入れ自体は函館市民にとっての長年の悲願。だが、実現に向けてはコストを始め難航が予想されている。そもそもなぜ乗り入れしなかったのか。できなかったのか。「北海道新幹線」なるものが形になる前、半世紀前からのさまざまな経過があったからだ。これまでの歴史を振り返りながら、大泉氏の目玉政策に待ち受ける困難について解説する。

ボールパークの日本エスコンが買収に意欲満々 ススキノ「キングムー」に急転直下の解体危機

 90年代ディスコブームの象徴だったジュリアナ東京と同年の1991年、ススキノに誕生した異形の大箱クラブ「キングムー」。総工費約35億円をかけて建設され、そのうち10億円は音響や照明に費やされたという伝説的な建物だ。

キングムー(札幌市中央区南7条西4丁目) ©財界さっぽろ

 だがディスコブームの終焉と続く「箱貸し」クラブ営業も下火となり、2008年に一度閉店。その後14年末に現オーナーの不動産会社が買収、16年に華々しくクラブとして復活を遂げていた。

 だが今年5月中旬、突如「閉店」の告知が公式Webサイトに掲載。5月27日で営業を終了するとの一報は、6月以降にも同館でイベントを行う予定がある業者にも連絡が間に合わないという慌ただしさだった。

 本誌が地元関係者に取材をすると、解体を前提とした買収の接触があったことが判明。接触していたのは、北海道日本ハムファイターズ新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」で知られる本州の不動産業者・日本エスコンだった。ススキノのランドマークとして四半世紀以上愛されてきたキングムーは解体されるのか、周辺事情を追った。