新社長は小樽潮陵卒のスポーツマン、15人抜き・北ガス仰天トップ人事の衝撃
「北ガス社長交代」――2月26日付けの朝刊各紙に見出しが躍った。いわゆる発表もので、業界用語で言えば“同着”の記事だ。
大企業のトップ人事はマスコミにとって格好の特ダネだが、北海道新聞や日本経済新聞も抜けなかったことになる。あわせて、記者たちが新社長の名前を聞き「いったいどんな人だ」と首をかしげたに違いない。
北海道ガスの社長交代は14年ぶりのこと。事実上の15人抜きで、52歳の川村智郷氏がトップの座を射止めた。川村氏は余市町生まれで小樽潮陵高校から早稲田大学教育学部卒。この川村氏の評判、人事の狙いを探った。
安堵の建設部「道路系」、注目は保健福祉部、鈴木道政・1期目総仕上げ人事の行方
2019年、圧倒的な得票で赤レンガの“あるじ”となった鈴木直道知事。当時38歳の若きリーダーがどんな人事を敢行するのか、幹部職員たちは固唾をのんで見守っていた。
沈思黙考の末、鈴木知事が出した答えは、3副知事総入れ替えというサプライズ。だが20年は一転して3人とも留任。21年は総務省から出向していた中野祐介が霞が関に戻り、教育長の小玉俊宏氏が横滑りとなった。この人事も庁内で話題を集めた。
22年度は鈴木道政1年目の最終年。現時点で3副知事のうち、誰かが退任するという風聞は流れていない。道庁幹部の関心事は、部長級人事に映っている。注目は2ポスト。19年から3代続けて「河川系」がその座を射止めてきた建設部長と、新型コロナウイルス対策を担当する保健福祉部長だ。
特集・札幌冬季オリ・パラ招致“正念場”
冬季北京オリンピックが2月16日に閉幕。その興奮の余韻も残る中、札幌市が取り組む2030年の冬季オリンピック・パラリンピック招致について、市民への意向調査が行われている。
「2030 ひとも、まちも次のステージへ。」――北京五輪期間中、チカホ(札幌駅前通地下歩行空間)には開催招致をPRするポスターなどが張り巡らされ「チカホジャック」の様相。本特集ではその金額について探るとともに、巻頭グラビアでも紹介した。
また五輪で使われる予定の施設への“いぶかる”向きについて、特集内「目玉の“再整備”計画、“まやかし”の月寒体育館と“犠牲者”の宮の森ジャンプ場」で取り上げている。
特集・統一地方選“すったもんだ”
来春の統一地方選まで1年に迫った。道議選、札幌市議選、首長選、“すったもんだ”の動きが浮上する注目の選挙区を取り上げた。
特集内のトップ記事は「『道議選釧路市』自民7区問題に直結、定数減も…鈴木・伊東親子“それぞれの思惑”」。道議選釧路市では来春の選挙で定数4から1議席減る見通し。これにより自民党候補を巡り、今後、攻防が激化しそうだ。
釧路市はもともと保守系が強い地域。近年は自民2、公明1、民主1の構図が続いている。注目されるのは自民の小畑保則の動向だ。現在5期目で、後期には道議会議長の座を射止めた。現在73歳であることから、勇退の可能性もないわけではない。
一方で、地元自民党内には伊東良孝と鈴木貴子の、7区の公認問題がくすぶる。仮に、小畑が勇退となり、自公で3議席独占を目指すとなった場合、伊東・鈴木の両陣営が候補者擁立に傾倒していく可能性がある。自民候補のとして、伊東良孝の息子・尚悟の名前もあがる。
このほか、市議選・道議選「札幌市手稲区」、道議選「函館市」、道議選「帯広市・十勝地域」などの事情を探った。
北見発の「ローカル」拡大中、ロコ・ソラーレの全道活用術
カーリング女子日本代表のロコ・ソラーレは、北京五輪で銀メダルを獲得した。銅メダルだった平昌五輪でからの3年間でチームはさらに進化を遂げている――
ロコソラーレは2010年、本橋麻里が作ったチームだ。平昌五輪後に本橋は「チームを作って報われましたね。ビジネスモデルとして成功ですね」とメディアに問われると、「まだ成功も満足もしていません。北見の方が応援してくれるようになりました。それを今度は北海道全体で、日本全国でやらないといけない。カーリングに興味を持ってくれるようにまだまだ前進です」と断言していた。
ロコソラーレは今、常呂を起点に、北見、オホーツク、札幌、稚内と、全道の行く場所行く場所で所縁を築き、世界挑戦を続けている。チームの意外と知られていない実情を紹介する。