私市兄弟商店

　１９５６年に青果物販売で創業。現在は精米業を営み、食用米を全国のスーパーやレストランチェーン、ホテル、食品メーカーなどに「キサイチライス」のブランドで販売している。

　また、精米工程が多いため買い取る業者が少ない原料米（麹や米菓の加工用米）も扱う希少な業者だ。

　私市実社長は「当社では原料米の加工技術と設備があり、食用米と合わせて全て買い取ります」と話す。

　こうした取り組みが農家に認められて取扱量が増加、今年1月には既存倉庫を増設し保管能力も向上した。

「道南の穏やかな気候で育ったコメは全国で通用するおいしさです。その魅力や生産者の思いを発信し、消費拡大と生産者利益を向上させて道南地域に貢献したい」と私市社長。

　今後は農家と協力した米の自社生産や、炊いた米を提供する飲食業などの一貫体制も構想する。

「アメリカなど海外への輸出も目指しています。農家による米の直接販売も活発になっており、既存のルートだけではなく新たな米の流通のあり方を模索して、生産者のやりがいや充実感につなげていきたい」と私市社長。