ほっかいどうデータベース

井沢建設

特殊な農業土木工事も自社で行う

技術と機動力を強みに基幹産業と暮らしを支える

「井沢建設」は1960年の創業以来、栗山町を中心に農業土木や建設工事を手掛けてきた。

 60年を越えるその実績は、豊富な経験と高い技術力を伝承してきた技術者の集団が築き上げてきたものだ。

 例えば、一般的に農業土木工事では専門業者に外注するケースが多い暗渠工事も施工可能。12台の建設機械を所有し、道路工事、河川工事、下水道工事などでもほぼ全ての工程を自社で完結できる。高品質で迅速な施工を実現している。

 高い施工品質が評価され、2015年、19年には優秀業者として北海道の「農業農村整備事業優秀業者感謝状」が贈られたほか、20年には社員も優秀技術者として表彰されている。

 16年に就任した喜多村大吾社長は「週に1回、全ての現場社員が集まりミーティングを行っています。人員配置など、現場に不満があるままでは中途半端な仕事につながります。社内全体で業務への意識を共有することで、精度の高い仕事ができます」と喜多村社長。

 地域に根付いた独自の企業風土も特長だ。

「当社は64年余り栗山町とともに歩んできました。〝地域のため〟という意識が全社員に浸透しています。当社だからこそ聞ける農家さんの細かな要望への対応や、急なトラブルにも迅速に駆けつける機動力で、栗山の基幹産業である農業を支えています」と喜多村社長。

 地域貢献活動にも積極的だ。毎年、本社がある栗山町の継立小学校のグラウンドや野球場、スキー山の整備のほか、毎年9月に開催する継立神社秋祭りのステージ設営など、重機を使った作業をボランティアで行っている。

 自身も継立地区で生まれ育った喜多村社長は、これまでに継立小学校の野球コーチを14年間務めたほか、子供育成会会長、継立小学校PTA会長、栗山町PTA連合会会長として活躍。現在も栗山町建設協会副会長を務める。「地域や子どもたちのために当社ができることを続けていきたい」と喜多村社長。

 今年3月にはグループ会社の「松村産業」(夕張郡由仁町)を合併し、井沢建設由仁支店として新体制をスタート。増員による機動力強化も行った。同支店は地域の除雪業務受注で冬季間も安定雇用の確保という役割も担っている。

 喜多村社長は「南空知エリアの農業土木工事は、夏に向けて大きな案件が動き始め、来年度以降も増えることが見込まれています。今後も地域に必要される会社でありつづけたい」と話す。

継立小学校のグラウンド整備を毎年行う
北海道の「農業農村整備事業優秀業者感謝状」を2度贈られた
喜多村大吾社長
本社社屋