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櫻井千田

道道1130号砂川奈井江美唄線の改修工事(砂川市)

地域を支え75年。働き方改革をプラスに社内改革を実践

 今年で創業75周年を迎えた総合建設業の「櫻井千田」(さくらいちだ)。1949年に奈井江町で創業した「櫻井組」と55年に滝川市で創業した「千田組」が、2009年に企業統合し現在の社名へと変更した。

 石狩・空知管内を中心に、道路や河川、農地などの公共土木工事に加え、公共施設等の建築改修工事、除排雪まで幅広く手掛け、23年には北海道開発局工事成績優秀企業表彰を受賞。地域のインフラを守り続けてきた。

 さらに、新築戸建て住宅、リフォームも手掛けており、豪雪地帯でも快適に暮らせる家というコンセプトの「SORACHIHOUSE」も販売している。

 近年、DX化が広がる建設業界だが、同社では約10年前から道内に先駆けてICT機器やICT建機を購入しており、工事の生産性向上と高い安全管理を実現している。

 19年に35歳で3代目として就任した櫻井康貴社長は「技術者として働いていた時の経験が私の一番の財産です」と話し、現場での経験を生かした会社経営を心掛けている。

「昨今の人手不足から人材確保には苦労していましたが、業界の体質として見過ごされていた部分を、働き方改革をプラスに捉えることで、社員の働きやすさを追求し大幅に見直しました」(櫻井社長)と、残業が当たり前だった給与体系を見直し賃金の底上げを図るほか、DX化により残業削減や完全週休2日制などを実現した。

 また、社員の健康を考え3年前から始めた健康経営の取り組みが認められ、全国の健康経営優良法人の中で優れた企業上位500社に表彰される「健康優良法人(ブライト500)」に23年から2年連続で認定された。

 そして、23年には北海道知事より、北海道社会貢献賞(建設雇用改善優良事業所)を受賞した。

 一方〝地域と共に生きる会社〟を理念に掲げる同社では、社会貢献活動にも力を注ぐ。祭りなど地域行事への参加や、毎週行うゴミ拾い活動、独居老人宅の除雪や小学校のグラウンド整備、交通安全啓蒙活動など、数多くのボランティアを行っている。

 櫻井社長は「この地に育てて

頂いた感謝を忘れずに、創業100年の先へ向け今後も地域から必要とされる会社を目指します」と思いを語る。

「ソラチハウス」の外観
櫻井康貴社長
奈井江町の本社外観
冬期除雪時の除雪作業では一度に50人以上が出勤する