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3eee

多世代複合施設「百年の森 函館」

介護・福祉業界をけん引。海外人材の紹介業も本格始動

 多店舗展開やFC経営のマネジメントをサポートする独自のナレッジ共有プラットフォーム「DigitalBrain」の開発・販売など、枠にとらわれない発想と先進的な視点で介護・障がい福祉事業を全国展開する「3eee」。 

 今年3月には「2024年デイサービス5選」に選出されている。これは一般社団法人「日本デイサービス協会」が優れた取り組みを行うデイサービス事業者を選出するもので、今年は全国から1519の事業所がエントリー。その中から見事に上位5事業所に選出され、2年連続での選出となった。

 今回、選出されたのは22年に開設した道内初の多世代複合施設「百年の森 函館」。通所介護、児童発達支援、居宅介護支援、就労継続支援B型と4つの業態を集約した複合施設で、リハビリテーションと有償ボランティアを掛け合わせた独自の〝ワーキングリハビリテーション〟を実践する。利用者がつくった製品を販売し、収益を労働の対価として利用者に還元する取り組みが、通所意欲や生きがいの創出につながると高く評価された。

 一方、業界の課題となっている人手不足問題の解消に向け、いち早く海外人材を活用。そのノウハウを生かして、21年には海外人材の紹介や支援計画に基づく日常生活・各種手続き等の支援を行う登録支援機関として出入国在留管理庁の認定を受け、海外人材の紹介業を本格的に開始。介護・障がい福祉事業を全国にFC展開する同社では、自社のFC加盟事業所をはじめ、さまざまな企業の海外人材の受け入れを広く支援していく。

 海外人材の在留資格のひとつ「特定技能1号」は介護、建設、宿泊、農業、漁業、外食業など12分野が対象。さらに今年3月には自動車運送など4分野の追加が決定した。

 田中紀雄社長は「インバウンド需要の回復や交通インフラを支えるバスやタクシーの運転手不足に伴い、今後ますます海外人材の採用は重要性を増していきます。そこで当社では介護分野をはじめ、観光や飲食、運送など道内基幹産業の労働力確保にも寄与していく」と説明する。

 加えて「人件費を抑えるために海外人材を雇う時代は過ぎ、今や海外人材を受け入れる際は日本人と同様に〝貴重な労働力〟として労働環境を整えていく必要があります。そのために、海外人材には日本の魅力や仕事の楽しさを知ってもらい、受け入れ企業には異文化への理解を深めてもらう必要があります。登録支援機関として、両者をしっかりとサポートし、ミスマッチのない海外人材の紹介と、人材の長期定着を図りたい」と田中社長は意気込む。

 

せっけんづくりで〝ワーキングリハビリ〟
田中紀雄社長
海外人材をいち早く活用してきた