３ｅｅｅ

介護・障がい福祉事業で業界を牽引する「３ｅｅｅ」。今年３月には、「2023年デイサービス５選」に選ばれた。

これは一般社団法人「日本デイサービス協会」が、変革期を迎える介護業界において優れた取り組みを行うデイサービス事業所を選出するもので、今年は全国から1831箇所がエントリーした。同社のナレッジ共有プラットフォーム「Dr.ZNOO」が評価された格好だ。

田中紀雄社長は「WEBやアプリ上で事業所運営のノウハウや成功事例を可視化して共有することで、グループ全体での生産性とサービス品質を向上させたのが『Dr.ZNOO』です。マネージャー職の業務時間削減とコストの合理化という点も評価されたと思います」と評価理由を推察する。

一方、道内初の多世代複合施設として昨年12月、函館市に「百年の森 函館」を開設。通所介護と児童発達支援、居宅介護支援、就労継続支援Ｂ型を集約した複合施設として、独自の取り組みを行っている。その最たるものが〝ヒト・モノ・カネ〟の流れを内部循環させるエコシステムの構築だ。

障がい者が豆の選別や包装を行ったコーヒーをはじめ、高齢者が精米や袋詰めを行った道産米など、同施設の利用者が手掛けた製品を施設内に併設する商店で販売するほか、カフェのメニューとして提供。さらに、製造過程で出たコーヒーかすや米ぬかを利用した石鹸の製造も高齢者が行っている。

田中社長は「社会とつながり、自身の役割を持つことが生きがいの創出につながります。労働の対価を得ることで介護保険の自己負担分を軽減するなど、利用者様の自立を支援していく」と話す。

なお、前述のコーヒーは希少な「マンデリン」種を丁寧に自家焙煎。道産米は米の食味ランキングで最高評価を獲得している「ふっくりんこ」を仕入れるなど、味と品質にこだわった製品が並ぶ。どちらも函館市のふるさと納税返礼品に採用されているほか、自社運営のオンラインストアでも販売するなど、今後も販路を拡大していく。

また、介護予防にも力を入れる同社では、「事業所評価加算」の適合事業所数で道内１位（令和５年度）に輝き、10年連続でトップの座を堅持。サービス提供により要支援状態にある高齢者の身体機能が一定以上維持・改善された介護事業所が認定される制度で、同社のサービスの在り方が高齢者のQOL向上と社会保障費の抑制に寄与することを示す指標と言えるだろう。

２月からはＦＭノースウェーブでラジオ番組「３ｅｅｅ サツエキマエクラス」をスタート。田中社長やスタッフが週替わりで同社の動向やトピックを紹介している。深夜帯の放送にも関わらず、ラジオリスナーから求人への応募を受けるなど、多方面から多くの反響が寄せられているという。