北海バネ
新体制の2年目。確実な事業承継に向けた改革を推進
「北海バネ」は22年4月に、北洋事業承継ファンドからの出資を受け、ソニー系グループ企業で社長を務めた造田弘幸社長が就任。23年は社内改革が実を結んだ。
造田社長は「DXによる生産性向上や営業活動強化、働き方改革を推進するための事業計画を策定し、課題を確実に改善してきた。 道半ばですが、活動指標を社員と共有した事で組織力の底上げにつながり、3半期連続で増収増益を達成できました」と話す。
道内唯一のバネ総合メーカーとして、多種多様なバネを製造する。農機に用いられるタインやロッド、スクリューコンベアやアンカーに使用されるスパイラル製品、地下鉄用締結軌道バネ、除雪機械用パーツや降雪センサーなども手掛ける。「パーツなので目立つ製品ではありませんが、農業、自然エネルギー、交通、送電、除雪、融雪など社会インフラの維持には欠かせないものばかりです。品質と納期をしっかり担保して社会に貢献したい」と造田社長。
23年には展示会や商談会へ積極的に参加したほか、取引先への提案活動に注力した事で新規案件の受注も増加。同社のスパイラル製品が、発展途上国の災害復興支援計画に採用されるなど活躍の場は世界に広がっている。
社内基盤も強化し、評価制度や人事制度を一新した。個別目標の設定で、社員のモチベーションとともに生産性が向上し、利益を社員に還元する好循環を生み出している。
「24年春には新倉庫を建設し、在庫管理を効率化する。進行中の新規案件も複数あり、飛躍の年にしたい」と造田社長。