空知単板工業
道産木材製品で〝木の良さ〟を発信。赤平から海外へ
1972年設立の木材加工会社。木材を薄くスライスした「単板」の製作が主力で、住宅や学校の内装などさまざまな用途に合わせ製作する。特にフローリングに使うフロア用単板では日本一の生産量を誇る。
50周年を迎えた22年には、一般消費者向け事業に初参入。道産木材製品ブランド「moc(モック)」を立ち上げた。
田村智事業統括部長は「近年木目を印刷した石化シートが台頭している中、本物の木の良さを改めて知ってほしい。まずは道産木材を身近に感じてもらうため、スマホケースやスノーボード、スケートボード、さらに道産モミなど木材から作ったアロマオイルを開発しました」と話す。
道内や関東で催事出店を行っており、24年はさらに石川、和歌山、福岡など出店エリアを広げる。また米国サンフランシスコに関連会社を持ち、25年には海外での販売も目指す。
また、毎年10月に植樹祭を開催。第4回となる23年は初めて一般市民も加わり、関係者と赤平市民合わせて約80人が参加した。
「木材は『炭素の貯蔵庫』といわれ、適切に管理や伐採を行うことが森の成長や活性化につながり、環境にもよい影響を与えます。石油や石炭と違い、木材は人の力で循環できる唯一の資源です。今後も事業を通して、木の良さや林業について発信していきます」と松尾和俊社長は語る。