柏倉建設
まちづくりで記憶と思い出を紡ぎ、2025年に70周年
型枠工事の分野で道内トップクラスの実績を有する「柏倉建設」。1955年の創業以来、その高い技術力でスーパーゼネコンなどの元請けから信頼を獲得している。これまでに数多くの百貨店や商業・オフィスビル建設に携わり、その成果が今も札幌駅前やススキノ周辺に立ち並んでいる。
柏倉一大社長は「札幌市内の再開発工事からも引き合いがあり、これまで愚直に取り組んできたことが評価された証だと思っています。また、再開発に伴う建て替えの中には、創業者である父の啓一会長が手掛けた建物も数多く存在します。世代が巡り、同じ場所の再開発に私が携わっていることは感激もひとしおです」と語る。
近年は、官民問わず首都圏での業務も拡大しており、いまや売り上げの半分が道外だという。
建設現場の課題解決に向けてDXやICTの導入などデジタル化にも注力するなか、2025年には創業70年を迎える。
同社は、これを第二の創業期と位置付け、将来を見据えた取り組みとして23年からは長男の理一氏を社長室室長に就任させたほか、伝統を踏まえつつ新たなブランドイメージの構築に取り組むべく、CI(コーポレートアイデンティティ)の設定を模索している。
さらに柏倉社長は「元請けや施主に対する信頼度を高めることはもちろんですが、時代を反映して従業員の満足度も追求したい」と話し、働き方改革への対応や給与、福利厚生の充実に加え、若者や女性の採用や外国人技能実習生の受け入れを強化する。「当社を辞めてもいい。1人でも多く建設業に残ってくれたらうれしい」(柏倉社長)と次世代の担い手の育成に情熱を注ぐ。
柏倉社長は「建設現場は時代が進んでも最終的に現場で人が資材を運び、組み上げるということに変わりはありません。人が集い、活動する限り建造物は求められる。その先にある思い出や記憶を紡ぐ存在でありたい」と話す。