ベンチャーパートナーズ総合会計事務所

170人のスタッフでコンサルティングファームを形成するベンチャーパートナーズグループ。その中核が累計起業支援数1万2000件を超える。「ベンチャーパートナーズ総合会計事務所」だ。

札幌本社のほか、仙台、東京、松本に６拠点を有する。さらに今秋までに道東エリアをカバーする「北見事務所」を開設予定で、2024年には福岡市への進出も決まっている。

攻勢に打って出る理由について東岳夫代表は「社員の熱意やアイデアを形にするのが私の役割。挑戦したい、という思いに応え、出店を決めました」と説明する。

グループには社会保険労務士事務所や経営コンサルティング会社などを有し、起業後の支援メニューも充実させてきた。今後はサービスのさらなるブラッシュアップを図り、経営者のメンタルケアにも取り組む。

「家族を心配させたくない、従業員に会社のネガティブな部分を見せたくない、と経営者は悩みを１人で抱え込むものですが、パフォーマンスは低下します。我々は起業家に寄り添うパートナーとして〝心の健康維持〟にも積極的に関わっていきたい。今後は経営者層に向けて、心理カウンセラーの採用なども計画しています」と東代表は語る。

一方、21年に立ちあげた新会社「サムライナレッジ」も順調そのもの。企業の資金調達に伴う事業計画策定支援と補助金コンサルティングを提供している。融資や審査に携わってきた金融機関OBが多数在籍し、実践的な支援が高い評価を得ており、破竹の勢いで顧客を増やしている。企業経営に資金計画は必要不可欠であり、今後もニーズは高まるとみている。

一方、グループで業務効率化も図っている。社内システムの自社開発や請求書発送ロボットの導入、さらにはチャットGPTも一部業務で試験運用するなど、さまざまな最新テクノロジーを取り入れ、生産性向上を推し進めていく。

「真の狙いは、経営を支援するコンサルティング業務に専念できる環境を整えることです。単なる代行業務の市場は先細りですし、テクノロジーの進歩で簡単な仕事の単価は下がっていきます。だからこそ〝人〟にしかできない心の通ったコンサルティングサービスにこだわりたい。優秀なコンサルタントが数多くそろっている当グループならではの戦略です」と東代表は意気込む。