ほっかいどうデータベース

土木技術コンサルタント

「国道241号音更大通交差点」業務の意見交換を行う様子。若手社員も活躍

創業50周年を見据え、さらなる技術力の向上を目指す

2022年で創業45周年を迎えた「土木技術コンサルタント」。国や道の公共事業を中心に、橋梁や函渠かんきょなどの構造物や道路の設計を手掛けてきた。これまでの実績は5000件を超え、近年は補修や点検業務にも進出している。

先進的な設計も他社に先駆けて導入する。20年には枝幸郡浜頓別町で道内で2番目となる環状交差点「ラウンドアバウト」の設計を手掛けた。

ラウンドアバウトは、一時停止による速度の抑制で重大事故がおきにくく、信号機を必要としないのでメンテナンスコストも低いといったメリットがある。車や歩行者が少ない本州で導入が進んでいるが適用条件が難しく、交通量や安全性などさまざまな点を加味しなければいけなかった。  

田中俊行社長は「本州への視察や利用状況の調査を十分に行いました。雪が多い浜頓別町では特に歩行者から好評です。車が来ないのに信号待ちをすることがなくなり、住民の負担軽減に貢献できました」と話す。

最新技術も積極的に導入している。建設・土木業界では、3次元モデルを活用したBIM/CIMが普及しつつあるが、これをいち早く活用して設計したのが「国道241号音更大通交差点」だ。国道241号は音更と帯広を結ぶ主要幹線道路で、通勤時には渋滞が発生していた。

同社では、片側1車線を2車線に拡幅。その際に、沿線の建物への影響や歩道幅などを3次元モデル化、これに通勤時の交通量など時間軸を加えた4Dシミュレーションにより総合的に設計することで混雑解消や安全性確保に成功した。

「今年は事業と技術の〝継続〟がテーマです。BIM/CIMなどの高い技術をより本格的にお客さまに提供するため、昨年12月に推進チームを発足しました。若手中心の社内勉強会なども積極的に行い、社員一丸となって社会に貢献していきます」と田中社長。

浜頓別町のラウンドアバウトの設計を担った
耐震補強設計を行った岩見大橋(旭川市)
左から谷口直弘専務、田中俊行社長、三好章仁専務