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遠藤建築アトリエ

「iFデザインアワード2022」を受賞した本社社屋

建築の可能性を探究し、北海道の新しい未来を創造していく

オフィスやクリニック、ホテル、コンドミニアム、一般住宅をはじめ、学校や医療施設、各種公共施設など、道内外でさまざまな分野の建築物を設計している一級建築士事務所「遠藤建築アトリエ」。

「建築を通じて人、地域、社会、時代を豊かにする」というポリシーのもと、施主の要望を具現化。施主の期待以上の価値提供を目指す遠藤謙一良社長を中心に、優秀なスタッフ陣とプロジェクトを遂行している。

固定観念にとらわれない発想力と創造力が評価され、2022年には、世界三大デザイン賞の1つとして知られる「iFデザインアワード2022」を受賞した。

環境に配慮した建築も推進しており、21年に手がけた旭川市の「北海道立北の森づくり専門学院」や20年に士別市で新築した地場企業の社屋では、世界的に採用が進む木質集成板「CLT」を採用した。

「大規模な建築物の場合、耐震性や強度の観点からコンクリート造りが主流となっていますが、CLTは木造でありながらコンクリートと同等の強度を誇ります。鉄やコンクリートの代替材として、地元の木材を有効活用でき、林業、木材産業の活性化にもつながる。環境負荷も少なく、サステナブルな社会の実現を加速させます」と遠藤社長。

一人の建築家として、北海道のさらなる発展も願っている。

「北海道の気候は世界に誇れる貴重な資源。地元の設計事務所として、北海道の価値向上に寄与していきたい」と遠藤社長。 

23年春、洞爺湖に開業するホテル「とうや湖 鶴雅リゾート 洸ひかりの謌」も同社が設計、デザインを担当した。土地が持つポテンシャルを最大限に生かし、ロケーションはもとより、朝日や月光など自然の光をデザインとして取り入れた。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化で環境にも配慮するなど、建築と自然の真の融合を形にしている。

22年には、北海道庁のロビーの木質化デザインを手がけたほか、かねてより遠藤社長の出身地である小樽市の歴史的建造物の再活用も提案。既存建築物のポテンシャルを現代に生かし、歴史を継承した新たな価値の創造も大きなテーマだ。

今後も人々の豊かな暮らしを〝デザイン〟すべく、各分野の専門家や経済人、自治体などと協力しながら、建築の可能性を探究し続ける。

遠藤謙一良社長
長野県の「白馬マウンテンハーバー」の展望台も設計