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柏倉建設

右から若手社員の藤堂瑠哉さん、松本秀人さん、山本拓海さん、阿部飛海さん、佐竹勇樹さん。写真後ろが社員寮「匠の宿」

型枠工事の未来を担う人材を育成。若手の有望株が成長中

型枠工事の道内大手「柏倉(かしくら)建設」。1955年に芦別市で創業。62年に現在地へ移転した。高い技術力を有しており、スーパーゼネコンからの信頼も厚い。

柏倉一大社長は「近年は人材の採用と育成に注力してきました。その結果が実を結びつつあります。ここ3年で20代の若手社員が次々と入社しています。弊社はもちろん、業界の未来も担う有望な若者たちです」と話す。

建設業界は職人の高齢化が進む一方で、3K職場のイメージから若者が集まりにくい傾向があった。また、黒子企業であるため一般の認知度も低かった。そのため同社では複数の取り組みをスタートしていた。

その1つが「型枠大工体験学習」。2018年から定期的に開催している。地方の高等学校に自社の職人を派遣する出張授業で、大規模建設工事が少ない地方都市の若者に職人と触れ合う機会を提供する。

10年前からは、札幌市内の高校生向けインターンシップや現場見学会も行って若い世代に向けた情報発信を強化している。

教育方法も変えた。〝先輩から技術を盗む〟〝現場で見て覚える〟といったものではなく、身ぶり手ぶりも交え、日々の仕事の中で懇切丁寧に指導する。

福利厚生にも力を入れた。同業他社の多くが手放してしまった社員寮を自社で複数棟保有。札幌市や千葉県、茨城県でも安心して働ける環境を維持する。

「なかでも札幌市白石区にある『セカンドハウ巣』と『匠の宿』は外観に特徴があります。コンクリート造にもかかわらず、和洋さまざまな建築デザインが取り入れられています。建設には当社の職人が腕を振るいました。若者に技術力の高さを伝えています」と柏倉社長。

また、16年に千葉県市川市に完成した「南行徳寮」は、ビジネスホテルのような近代的な外観で、社員からも好評だ。

労働環境の整備にも注力しており、女性が働きやすい職場づくりと有給休暇取得の促進、テレワークなど時代の要請も速やかに取り入れ、柔軟な働き方を実現している。

13年からはベトナム人の外国人技能実習生の受け入れも開始している。

「次世代にものづくりの素晴らしさを伝えることはもちろん、給与や福利厚生の拡充にもこだわる。働き手に寄り添った企業でありたい」と柏倉社長。

さまざまな技術を学ぶ
アットホームな雰囲気