石川慎吾選手
5月20日、札幌ドームで迎えたセ・パ交流戦開幕の中日戦。代打でプロ初のホームランとなる決勝2ランをバックスクリーンにたたき込んだ。
交流戦に入る前の2試合は、2度の代打でともに見逃し三振。その悔しさを吹き飛ばす快打となった。
「チームが逆転された中で、陽岱鋼さんがホームランを打って同点に追いついた。いい流れの中で代打として使ってくれた監督に感謝しています」
大阪府堺市出身。地元で開かれる「だんじり祭」が好きな活発な少年だった。
「山車を引くためには、小学生は地域の子ども会に入る必要がありました。子ども会に所属している男子はソフトボールをする決まりがあって、1年生のときに始めました。当時はソフトボールが大嫌いで、よくお腹が痛いと言って練習を休んでいました」と振り返る。
野球を始めたのは小学3年生のとき。すぐにのめり込んでいった。
「ソフトボールが嫌いだったのが嘘のように、練習のある土日が待ち遠しくなりました。テレビでプロ野球を見るようになったのはそれからです」
子ども時代の憧れは、当時阪神のエースだった井川慶選手。
「僕はその頃ピッチャーをしていたので、井川選手の真似をして左手で投げたり、青いグラブを使ったりしていました」
高校の監督の口癖は「考えて野球しろ」。その言葉が頭に残っているという。
「例えばバッティングでは、初球から思い切って振っていくべき場面と、ピッチャーに球数を投げさせるべき場面があります。打ったあとも、凡打したときはなぜ凡打したのか、ヒットを打てたときはなぜ打てたのか。あらゆる場面で、ひと呼吸置いて考えるようにしています」
一番の仲よしは西川遥輝選手。取材の前日には、2人で初めて焼き肉を食べに行った。
「ご飯を食べに行くときは野球の話はあまりしません。プライベートな話で盛りあがります」
パワーが自慢の3年目。理想は小谷野栄一選手だ。
「小谷野さんのように、チームバッティングを最優先に考えられる選手を目指しています。小谷野さんは打点王も取っていますし、僕も打点と得点圏打率にはこだわっていきたいと思っています」
(上田)
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