アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

大引啓次選手

試合中、ピンチを迎えると、マウンドに駆け寄り、投手に声をかける姿が印象的だ。
「投手は、時に孤独を感じるポジションです。『後ろで多くの仲間が守っている』と伝えてあげれば、気持ちが落ち着き、投球に集中できるかなと思い、意識的にしています」
モチベーションが上がるような言葉をかけているが、時にはゲキを飛ばすことも。
「状況や個々の選手によって、見極めて、使い分けています」
昨年のシーズンオフ、トレードでオリックスから日本ハムに移籍。通告された瞬間は頭が真っ白になったという。
「慣れ親しんだ球団を離れるのは、やはりショックでした。でも、ここはプロの世界。すぐに気持ちを切り替えることはできました」
日本ハムに溶け込めるか不安な気持ちもあったという。
「ファイターズは、外から見ていると、アットホームな感じがありましたが、実際はどうなんだろうと。でも、一員になってみると、そのまんま。ファンにもオリックス時代のニックネーム『ビッキー』と、すぐに呼んでもらったので、うれしかったです」
野球を始めたのは小学1年。兄と一緒に、地元の少年野球チームに入部した。
法政大学では、1年生からレギュラーを獲得。4年生では主将として、2年連続春季優勝に導いた。当時、「法大史上最高の主将」「学生野球の鑑」と呼ばれた。この取材中も落ち着いた受け答えで「好青年」というイメージがピッタリだ。
「守備の要であるショートは、冷静に試合に臨まなくてはいけないポジションだと思っています。冷静さや落ち着きは、そこで自然と染みついたのではないでしょうか」
プライベートでは昨年オフに結婚。「いまもラブラブ」と笑う。5月には2人でドライブに行ったという。
「小樽でお寿司を食べて、神威岬まで行ってきました。7月にもカミさんと小樽のオルゴール堂を見てきました」
ペナントレースは後半戦を迎えたが、チームは低迷。苦しい戦いを続けている。
「投打ともに、かみあっていない部分がある。チームの歯車がうまく回ることができれば、まだまだ巻き返せると思っています。クライマックス進出を誰一人あきらめていません。目の前の一戦一戦を全力で戦うのみです」
(竹内)

◎小さいころ好きだった球団は 「大阪出身ですが、巨人でした」
◎憧れだった選手は 「ホームランバッターが好きで、原辰徳さんや松井秀喜さんです」
◎ハマっているものは 「マンガ『ワンピース』です。作者を尊敬しています(笑)」

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(おおびき・けいじ)1984年6月29日、大阪市生まれ。A型。身長178センチ、体重80キロ。右投げ右打ち。浪速高校、法政大学卒業後、06年の大学・社会人ドラフト3巡目でオリックス・バファローズに入団。昨シーズンオフ、糸井嘉男らとの電撃トレードで北海道日本ハムファイターズに加入した。状況判断に優れた打撃が魅力で、移籍1年目から正ショートとして活躍。背番号7