アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

ミチェル・アブレイユ選手

今シーズン、テスト生から入団した年俸2000万円(推定)の助っ人が、ホームランを量産中だ。右打席からライト方向に伸びる打球が魅力。飛距離を生みだすのは、自慢の〝ぶっとい腕〟。
「パワーの源は、妻が焼いてくれるビーフステーキ。それに白米、豆、アボカドを一緒に食べます。このコンビネーションが最高なんです」
好成績の要因は、パワーだけではない。キューバ出身の選手は、情熱的で陽気なイメージがあるが、アブレイユ選手はかなりの勉強家。日本の野球に早く慣れようと、対戦チームの研究に余念がない。自宅でも球場でも、時間があると、対戦投手のビデオばかり見ているという。
「DHで試合に出ているときは、自分の打席が終わったあと、必ずベンチ裏で、その打席の映像を見返します。スイングチェックと相手投手のボールの傾向を分析します」
幼いころ、友人たちと近所の公園で野球をするのが日課だった。10歳で野球アカデミーへ通い、本格的に取り組んだ。18歳で国内チームと契約。キューバ代表に選ばれた経験もある。
その後、コスタリカの居住権を取得し、大リーグのニューヨーク・メッツと契約。メジャー昇格の夢は果たせなかったが、「ベースボールの本場でプレーできたことはいい経験になった」と振り返る。
昨シーズンまで3年間は、メキシカン・リーグでプレー。日本へ来ることに不安はなかったという。1999年にキューバ代表として来日したとき、日本代表の質の高いプレーに感心し、いつか日本でプレーしたいと思っていた。
「北海道はきれいな街並みで、治安もいい。一緒に来日した妻と子ども2人も住みやすいと、喜んでくれています。」
「アブちゃん」の愛称で親しまれ、すぐチームに溶け込んだ。本人もお気に入りのニックネームだ。
チームは現在、低迷を続けているが、勝っても、負けても、熱く応援してくれるファンの姿勢に驚いた。
「素晴らしい環境で、野球ができることに喜びを感じています。自分の役割はチームの勝利に貢献すること。個人成績もまだまだ満足していません。ファンのためにも、もっともっと勝利につながる一打を放っていきたい」
(竹内)

◎リラックスできる時間は 「スペイン語で妻、息子、娘と会話しているときです」
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1979年1月2日、キューバ共和国マタンサス州生まれ。身長187センチ、体重111キロ。右投げ右打ち。マタンサス大学卒業後、国内リーグで活躍。その後、06年にドラフト外でメジャーリーグのニューヨーク・メッツに入団。10年からメキシコの国内リーグに在籍。今シーズンから北海道日本ハムファイターズに加入した頼れる長距離砲。一塁手。背番号42